ブクレポ
ブクレポってどんなサイト?
login_header
新規登録(無料)
login_header
ようこそゲストさん 
  • ログイン
  • ブクレポとは?
  • ヘルプ
  • ホーム
  • 本をさがす
  • ブクレポをさがす
  • ユーザをさがす
sashaさん 
130 あり!
あり!
このブクレポを評価しよう!あり!とは?
+5あり! +5あり!を取り消す +5あり! +3あり! +3あり!を取り消す +3あり! +1あり! +1あり!を取り消す +1あり!
このブクレポにあり!した人
ある教育者の万感の思い » « 何故、動物たちは殺されたの?
book_report_header

書誌データ

教育・資格検定
早川書房
2001年 08月 発売
357P
9784152083654

内容紹介

1897年、北極探検家ピアリーは、幾多の“手土産”とともにニューヨークに華々しく凱旋した。そのなかには、珍種動物同然の扱いを受けることになる6人のエスキモーがいた。彼らはニューヨーク自然史博物館の学者たちが追究する「人類学」のために連れて来られたのである。北極地方とはかけ離れた暑さと湿気に冒され、エスキモーたちは次々と倒れてゆく。ともに来た父に死なれたエスキモーの少年ミニックは異邦で孤児の身になってしまう。ある日、埋葬されたはずの父が、博物館で骨格標本として陳列されている姿を見つけたミニックは、遺骨を取り戻そうと、絶望に陥りそうになりながらも懸命に手を尽くすが...文明の傲慢さと無理解に翻弄され、肉親も故郷も失い、北極とアメリカという二つの世界に引き裂かれてしまった少年の彷徨を、20世紀初頭の探検熱と人類学のありようを批判的に俯瞰しながら描き出した衝撃の物語。ケヴィン・スペイシーによる序文・映画化。

著者紹介

ケン・ハーパー:1945年カナダのオンタリオ州生まれ。長年にわたって、バフィン地方やグリーンランドのカーナークなど北極地方に住む。エスキモーの社会に深く関わりながら、教師、歴史家、言語学者、経営者として活動する。エスキモーの歴史と言語について研究を行ない、著作を発表している

鈴木 主税:1934年生まれ。翻訳グループ牧人舎代表。マンチェスター著『栄光と夢』で翻訳出版文化賞を受賞

小田切 勝子:1962年生まれ。京都大学文学部哲学科卒業。フリーの実務翻訳者を経て、牧人舎に参加

目次

ピアリーの家来/鉄の山/アメリカ到着/ニューヨークで孤児になったエスキモー/アメリカ人ミニック/ウォレスの事件/詐欺/「涙の人生に運命づけられて」/父さんのからだを返して/科学のために/「とても哀れなミニックの遭遇」/「絶望的な流浪の境遇」/北極計画/逃亡/「破棄できない契約」/グリーンランドへの帰郷/ふたたびエスキモーとして/チューレ基地/ウイサーカッサク:大嘘つき/指名手配:生死を問わず/クロッカーランド探検隊/ふたたびブロードウェイに/北の国

科学と人間の残酷さ

5

「ホッテントット・ヴィーナス」と呼ばれた女性がいた。18世紀の頃
である。現・南アフリカ共和国に住むコイコイ族のサラ・バートンは
イギリスへ行けば金持ちになれると騙されて、イギリスへ渡った。

しかし、彼女を待っていたのは金持ちの生活どころではなかった。
その身体的特徴を見世物にされたのだ。

天然痘に罹りフランスで亡くなっているのだが、死後さえも安らか
ではなかった。遺体は解剖され、その一部はホルマリン漬けにされ
パリの自然史博物館に展示された。

彼女の体が故郷に戻れたのは2002年になってからだった。

本書を読んでいて、そんな話を思い出した。そして、こちらは
北極からニューヨークに連れて来られたエスキモーの少年の
話である。

一緒にアメリカに渡った6人のうち、父をはじめとした4人が病死し、
ひとりは北極へ戻った後に残されたのは少年ミニックだけだった。

研究の端緒についたばかりの人類学の為に、ニューヨーク自然史
博物館で研究材料にされたのに、ひとりぼっちになったミニックの
将来をどうするのか。彼らは責任逃れをするばかり。

そうして病死して埋葬されたはずの父の遺体が骨格標本にされ
博物館に展示されていることが分かる。

科学は人類に様々なものをもたらした、しかし、その裏側には
人種差別に基づいた人権の無視があったことも忘れてはならぬ。

孤児同然になりアメリカで12年を過ごしたミニックは、やっとのこと
でエスキモーの世界に帰ることが出来るのだがそこさえも彼には
安住の地ではなかった。

エスキモーの世界と白人の世界。ふたつの世界の狭間で引き裂か
れた人生は、ミニックを根なし草のようにしてしまった。

どこにも居場所がない。そんな一生を歩ませてしまった科学と
人間は、やはり残酷なのだよな。
+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
タグ
この書籍の他のブクレポ
book_report_footer

ブクレポの輪

ブクレポの輪とは?

このブクレポへコメント

p-mamaさんがこのブクレポにコメントしました

p-mama
p-mamaさん2014-06-26 21:44:31

もうずいぶん前に読んだのですが、その時も科学というより人間の残酷さを感じました。どうして同じ人間なのにこういう風に感じられるのか。でも今でも宗教や人種で対立している国々があり、科学の進歩は人間の進歩ではないと思ってしまうのです。もしかしたらもう既読であるかもしれませんが「イシ―二つの世界に生きたインディアンの物語」もココロ揺さぶられる内容です。

sasha
sashaさん2014-06-27 20:10:10

>>p-mamaさん
同じ人間であるとの意識が持てないからこその残酷さなのかもしれませんね。
「イシ―二つの世界に生きたインディアンの物語」。これは知りませんでした。探して読んでみます。

 この書籍のブクレポ

「文明人」のなんたる蛮虐なることか
halwarさん
4
あり!:44     コメント:0

  ケンハーパーの書籍のブクレポ

ブクレポはまだありません。

ケンハーパーの書籍一覧へ