ブクレポ
ブクレポってどんなサイト?
login_header
新規登録(無料)
login_header
ようこそゲストさん 
  • ログイン
  • ブクレポとは?
  • ヘルプ
  • ホーム
  • 本をさがす
  • ブクレポをさがす
  • ユーザをさがす
3kiさん 
110 あり!
あり!
このブクレポを評価しよう!あり!とは?
+5あり! +5あり!を取り消す +5あり! +3あり! +3あり!を取り消す +3あり! +1あり! +1あり!を取り消す +1あり!
このブクレポにあり!した人
嫁入り道具 » « ひとでなし対決……和登さん不在
book_report_header
ネタバレ

誰か わたしを 抱きしめて

5

誰かに抱きしめられる。
それは、どんなことだろうか。
暖かいぬくもり。
包まれる感じ。
全身の圧迫感。

その「感じ」は、ほかにどんなときに感じられる?
風呂に浸かるとき。
布団にくるまるとき。
満員電車はイヤだなあ!

人は、幼少期に抱きしめられていないと、いろいろとまずいらしい。
人が、狭いところに身体をぎゅっと押し込めたい、というのは本能にも近いのでは無いだろうか。
我が家の猫など、置きっ放しの小さい箱に無理矢理入り、変形させ、押しつぶす……。
触覚剥奪は、多動・自閉的行動、暴力や攻撃性を生むとしている専門家の声もある。
しかし、自閉症の子どもは触覚刺激への過敏な反応により、母親の胸に抱かれることをいやがるようなそぶりをする。
マシュマロのような身体の叔母からの抱擁に、押しつぶされるような圧迫感を感じ取り、「ちょうど良くコントロールできる」抱擁を、テンプルは夢見るようになった。

発達障害を知っているだろうか。
脳における障害があるとされ、自閉症、高機能自閉症(アスペルガー症候群)、注意欠陥多度性症候群(ADHD)、学習障害(LD)などを指す。原因は遺伝、体内環境、出産時の状況など考えられているが特定が難しく、社会的認知度が低いものの一つである。
学級の6%の子どもが発達障害にあるといわれ、最近の学校事情のテレビ番組でも耳にすることがある。
障害の生活上・学習上の問題が正しく理解されないために、「わがまま」「育て方」などの問題とされるケースもあり、より正しい認識を持つべきものの一つである。
個人によって、投薬などの方法もとられる。アスペルガー症候群などは、知的には問題が無く(学習面ではむしろ高いことも多い)、特に対人関係に苦労を持つなど、様々である。
それこそ、人が一人ひとり違うのと同様、発達障害も、一人ひとり違っている。
(わたしの認識ですが、間違っていたらごめんなさい)

以前レポをした「火星の人類学者」に出てくる、テンプル・グランディンは、自閉症と診断され、自らの障害と闘ってきた一人の動物学者であり、アメリカの1/3の屠殺場の設計に関わっている人物である。
彼女も、自らの自閉症からくる困難に、強く悩まされ続けていた。
・抱きしめて貰いたいのに、抱きしめられたくない。
・強くこだわりすぎる。
・環境の変化に強く戸惑う。
・視覚的にでないと学習しづらい。聴覚からは覚えられない。
・触覚刺激に弱く、毛でできた服は着られない。
これらが彼女の抱えていた問題である。
また、神経が過敏であるために、胃を強く痛めることすらある。

発達障害は、生活に支障が無い限り、特に意識する必要は無い。
しかし、前述したものがいくつか「軽度発達障害」と、区別されるのに対し、自閉症はその仲間から外れる。
実際、テンプルはそのかんしゃくによって、家族を交通事故で殺しそうになったことがある。そのとき、テンプル自身は、状況がよく分かっていなかった。割れて降り注ぐフロントガラスを見て「アイス、アイス」と、喜んでいたのである。それくらい、生活に支障がある。
幼少期の友だちとのトラブルの解決方法は、「ひっぱたく」ことであった。
しかし、気をつけたいのは、ただ、困ったものとしてではなく「世界を違った方向から見ることができる」ということにもなる、との認識が必要なこと。
序列的に物事を理解する者と違い、彼らは、視覚的に理解する。物事の全体像が見えなくても、部分をイメージすることができる。
物理学者アインシュタインも、視覚的に学習をしている。
すなわち、彼ら発達障害者を「生み出さないように予防」するというようなことがあった場合、非凡な才能を平凡な才能に変えてしまう恐れがあるのだ、と、著者は指摘している。
テンプル自身、
・動物が好き
・工作を工夫して作ることが好き
・独創性の実行
・こだわりによる達成までの執念
などの良い特性が、成功へと導くもととなっている。但し、彼女自身、知能指数137という、大変高い知性の持ち主でもあったのだが。

話を戻そう。
人は、かすめるような軽微な刺激では無く、ややしっかりした圧迫感を伴う触れ方に安心感をもつ。
牛樋。
牛に烙印を押すために、狭い通路に押し込め、圧迫することで固定する。
牛は、圧迫されることで落ち着く。そうした機械である。
それを自分用にも作りたいと考えたテンプルは、ついに、それを作り上げ、全国の自閉症の子どもがいる施設で効果を上げるようになる。
それを「締め付け機」という。
自分でコントロールできる圧迫感を受け入れることで、中枢神経に働きかけることのできる機械。
健常な大学生が使ったときも、60%が好ましく感じた。
それほどに、動物と人と、共通した感覚なのである。

人は、誰かに抱きしめられたいと願う。
テンプルを抱きしめることをしなくなった母親の手紙を読むと、母親は、身体の代わりに心を抱きしめているのだと分かる。
それでも。
この身体を抱きしめて欲しい。
人は、そう願うのだ。
+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
引用文
「人は他人や物事を成長させることに努力するようになると、その他人や物事に心の支えを持ち始めます。あなたは牧場にその支えを持っています。なぜなら、そうしようと努力したから。」  (134P)
人は、努力が自らの支えとなる。ズルは自分を支えないけれど。たとえ、失敗していても、それらすべてが自らを支える柱を太くしてくれている。そう思う。
「ある違いについてお話ししましょう。人間は生きていて反応を確かめ合います。ものはあなたに話しかけることも、あなたを抱くこともできません。……中略……人間は私的な象徴でも努力の代替物でもなく、お互いに応え合う血の通った存在なのです。返ってくる応答がいつも好ましいとは限りません。……ユニークな存在なのです。未来永劫そんな生きものは見当たりません。」  (135P)
自閉症の彼女と共に生きる母親の手紙です。この「愛」あったればこその彼女なのでしょう。
タグ
book_report_footer

ブクレポの輪

ブクレポの輪とは?

このブクレポへコメント

 3kiさんのブクレポ

団体戦、白熱!
ましろのおと 6
4
あり!:23     コメント:0
こんな衣装を着てみたい!
乙嫁語り 1
4
あり!:46     コメント:2
二つの写楽
三つ目がとおる 3
4
あり!:33     コメント:6
ちょっと破廉恥中学生。
三つ目がとおる 2
4
あり!:30     コメント:0

 この書籍のブクレポ

ブクレポはまだありません。

この書籍のブクレポを書いてみましょう!

  テンプルグランディンの書籍のブクレポ

ブクレポはまだありません。

テンプルグランディンの書籍一覧へ