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書誌データ

人文・社会
大月書店
2011年 05月 発売
204,2P
9784272440382

目次

1章 響き合う音楽と数学(音を数えることから音楽は始まった/数とは何か?/宇宙の調和 根本原理を求めて ほか)/2章 音楽と数学の位相(表現する音楽 隠れる数学/時代と地域で変わる音楽 時代を超えて深化する数学/人と人を結ぶ音楽 人を超える数学 ほか)/3章 音楽と数学の本質(秩序ある世界の根底にあるもの/コンピュータの進歩と「ランダム」/音楽と時間 ほか)

ネタバレ

数を奏でて

5

うへえ、どうしよう。おもしろすぎ。


……済みません。取り乱しました。真面目にやります。

カラオケの採点、拍手をいっぱいに貰っているのに、得点は上がらない、なんてことありませんか?
わたしが「天城越え」で絶叫したあと、気持ちよーくみんなに褒められたのに、採点は延びない。
いえ、わたしごときはともかく、歌手だって、カラオケではあまり点が出ない。でも、ライブでカラオケの優秀タイプで歌って欲しいなんて思いませんよね。そもそも、何で採点なんてできるのか。
それは、音符は数字の仲間だからです。
そもそも、音楽は、学問的には数学の仲間とみられていた。数字で書いてあるのだから、数値化して採点できるのはとっても納得のいく話。
でも、元々は、それほどリズムなど、拘るものではなくて、これほど正確な演奏が当たり前になってきたのは近代のことらしい。以前は、カラオケの伴奏に乗せて歌えやしないほど自由だったんだろうねぇ。
と、そんな入り口を示してみましたが、この本は、数学と音楽の関連についてのものです。以下、「自分のために」詳しく書いたので、ここまででみなさんは読まない方がよいと思われます。まとめ切れないほど、内容濃かったし。


日本にドレミが登場した19世紀末、ひふみよ……だった。音は、身体化された数。
拍は、左右の足を交互に出して、1,2,1,2。2拍の動き。拍も、身体化されている数。20から25万年前頃のことと言われている。
音楽の発生は、性淘汰起源説、言語起源説、コミュニケーション起源説、労働起源説があり、どれもが混沌として発生していったのではないか。

1音では歌にはならない。お経は歌とは言えなかろう。しかし、2音の童歌はある。「おじょうさん、おはいんなさい」や「ほっほっほーたるこい」など、2音だ。
もっと歌らしくなると3音になる。4音までは自然発生的だ。そのほとんどが、しゃべり言葉のイントネーションからメロティー化するか、唱え歌のようなもの。
これを聞いて、山田耕筰を思い出した。まさに、「赤とんぼ」。イントネーションを映した歌。
5音は重要だ。オクターブを作ることになるから。詳しくは図を見ると納得する。使われている音の散らばりで、円を一周するように見える(注 楽譜ではない)。4音から5音への飛躍はかなり時間がかかっているらしい。実は、人間の認識できる数は、いっぺんには4が限度で、5以上は指を使ってやっと数えられたという説もあるらしい。デジタル(digit)の語源は本来手足の指のことで「指折り数える」から、とは驚き。

宇宙は数の調和で作られている。
古代ギリシャ人の考え方である。
宇宙の調和の根本原理としてムジカ(ムシケー)を考え、その調和が「ハルモニア」となる。英語の「ミュージック」と「ハーモニー」のこと。
音楽には3つの種類があり
宇宙の音楽……ムジカ・ムンダーナ→天空の調和、星々の奏でる音楽
人間の音楽……ムジカ・フマーナ→人間の魂や肉体の調和、人間の心身の調和
器具の音楽……ムジカ・インストゥルメンターリス→実際の音楽、器具とは言え、人の声も含まれる
と考える。 人が聴くことができるのは「器具の音楽」ムジカ・インストゥルメンターリスのみ。しかし、宇宙は音楽に充ち満ちている。人が聞こえぬまでも、多くの振動で満たされている。
身体の外の「マクロコスモス」と内なる宇宙である「ミクロコスモス」そのどちらにも音楽は満ちあふれ、音は音として直接表現でき、音は宇宙にもなり得る。そうした考え方が音楽の根源に位置するようになる。

「数学」は、「マテーマ」学んだこと、という意味。
「マテーマ」を「数」と「量」に分け、静止しているか運動しているかでさらに分ける。
数×静止→数論    数×運動→音楽
量×静止→幾何学   量×運動→天文学
※現在の分類とは意味するものの中でも違っているので単純比較はできないそう。
特に、音楽は数の中でも比を扱う分野であるらしい。
よく聞く話にピタゴラスが弾いた弦の長さの比から音を作ったということが、詳しく書かれている。
ここで音楽史上の未解決問題が生まれる。
有理数の音、音律と無理数の音、平均律ができてしまったのだ。
絶対音感に代表される絶対音高は、どちらかというと、すぐには調律できないピアノや管楽器からなのだろうか。
調節が利く弦楽器でも、演奏中には調整できないので音律が問題になる。
メロディーを自然に感じさせるには等比数列がよいが、和音は等差数列がよい。すなわち
☆有理数の音…平均律…等比数列…メロディー重視
ピタゴラス音律 Rn=(3/2)^n-1[分母]/2^P[分子]
平均律 En=2^n-1/12
☆無理数の音…純正律…等差数列…和音重視
大きいan=1+1/8・(n-1)  (n=1,2,3,5)
=4/3+1/6・(n-4))  (n=4,5,6,8)
=1+1/8・n
ということになる。実際のところは、ピッチを自由に変えられる楽器や歌手は柔軟に感覚的にこれらの音律を行き来しているので数値決定できるとは言いがたい。また、それでこそ真の音楽家だ。

こうしてみてきたムジカ・ムンダーナに代表されるのは、人間の感じ取ってきた「無限」だ。音楽は、その無限を表現しうる。古来、古典音楽は日本の雅楽も含め自然発生的無限観を内包してきた。
ただし、科学の進歩と共に宇宙の有限を知ることになる。一方音楽は、ロマン派の台頭と共に、宇宙観=無限観は少なくなってくる。より、市民社会の大衆に受け入れられやすい、「人間的音楽」になっていった。再び無限への意識を取り戻したのはドビュッシーら19世紀末になる。

本書の面白いところは、数学者と音楽家が同時代的に並べられていくこと。影響を受け合う姿が見て取れる。数学の対決、という話は、これまで読んだ数学についての本の中で何度も読んだけれど、音楽も、演奏対決があったとは驚き。しかも、あのヘンデルがしていたなんて。

数学は後退しない。すべての宇宙で成り立つ法則。しかし、物理学は、この宇宙しか成り立たないかもしれない。
しかし、音楽は「この宇宙」を越える可能性がある。
ジョン・ネイピアが発見した対数logは、logos+arithmos、すなわち、神と数。「神の言葉としての数」から来ている。
「神」に何を置くかはともかくとして、宇宙を越える普遍性をそこに見いだしたのだとしたら、まさに数学こそ神の法則と言えるのだろう。そして、惑星について「天体は音楽を奏でている」として、音楽的に考察することでケプラーの法則は見いだされた。

そして現在。音楽は、録音され、再生されることで、その場の臨場感ではなく、普遍性、音やリズムの正確さ、同じことの再生が重要になり、その本来の輝きを失ったかにも見える。
数学は、追求の先に、ランダムさが発見された。
混沌。
魑魅魍魎的世界と表現されたそれを表現しうる可能性。感覚的に体現しうる音楽。
上手く説明できないが、複素平面すら音楽は表現し、感覚的にとらえさせてくれるものらしい。
分からないことを無理に決めなくてよい。そのままでいい。
ただ、浸ればいい。
+5あり! +3あり! +1あり!
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ランピアンさんがこのブクレポにコメントしました

ランピアン
ランピアンさん2012-08-04 00:17:05

面白そうですね。しかし、短期間でよく読めますね、こんな中身の濃そうな本。

3ki
3kiさん2012-08-04 06:18:33

何をおっしゃいますやら。
わたしは消化に時間がかかるので、多くの場合、3冊程度並行読書をしています(違う分野のものにしないと混じりますが)。ですから、短期間、ということはないんですよ。
内容が、ぎゅぎゅぎゅっと圧縮されているのでこんがらがってきますが、他の本を読む際に、少しずつ解けていくのではないかと期待しています。

ランピアン
ランピアンさん2012-08-04 16:04:22

私もやりますね。並行。小林秀雄も10冊くらいとか言ってたような気がするなあ。

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