ブクレポ
ブクレポってどんなサイト?
login_header
新規登録(無料)
login_header
ようこそゲストさん 
  • ログイン
  • ブクレポとは?
  • ヘルプ
  • ホーム
  • 本をさがす
  • ブクレポをさがす
  • ユーザをさがす
115 あり!
あり!
このブクレポを評価しよう!あり!とは?
+5あり! +5あり!を取り消す +5あり! +3あり! +3あり!を取り消す +3あり! +1あり! +1あり!を取り消す +1あり!
このブクレポにあり!した人
生きた化石 » « 時季遅れ
book_report_header

書誌データ

新書・文庫
講談社
2009年 07月 発売
589P
9784062764131

内容紹介

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。終戦から60年目の夏、健太郎は死んだ祖父の生涯を調べていた。天才だが臆病者。想像と違う人物像に戸惑いつつも、一つの謎が浮かんでくる―。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。

著者紹介

百田 尚樹:1956年、大阪生まれ。同志社大学中退。放送作家として人気番組「探偵!ナイトスクープ」など多数を構成。2006年『永遠の0(ゼロ)』で作家デビュー。高校ボクシングの世界を感動的に描いて’08年に発表した小説『ボっくす!』で圧倒的な支持を集め、一躍読書界注目の存在となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

おすすめポイント

「娘に会うまでは死ねない、妻との約束を守るために」。そう言い続けた男は、なぜ自ら零戦に乗り命を落としたのか。記憶の断片が揃う時、明らかになる真実とは。涙を流さずにはいられない、男の絆、家族の絆。

「生きねば。」(アニメ『風立ちぬ』)のメッセージとの呼応

4

最近話題の人物、百田尚樹氏のデビュー作。ワタシも初・百田。

今年はスタジオ・ジブリのアニメ映画『風立ちぬ』の公開がなされ、何かと話題の「零式艦上戦闘機(以下「ゼロ戦」)。本書もゼロ戦のパイロットであった宮部久蔵を祖父にもつ姉弟が、祖父と関わりのあった方々に、祖父の話を聞いていく形で進められる。

その宮部という人物は昭和20年8月に特攻で亡くなっている。なぜ祖父は特攻で亡くならなければならなかったのか、遺書も記録も残っていないし、姉弟の母にも祖父の記憶がない。だから、聞き取りを行った。


途中何度涙したかわからない。人が人を思いやる気持ち、大切に思う心・愛する心、お互いを讃え合うその心意気。姉弟が聞き取りを行なっていく方々は、祖父とともに在ったことで人が持っている尊いその<心>を呼び起こされ、自己の生きるもととし、そして現在まで生きてきた(最初に会った人物は少し違う-参考までに)。それと比するかのように姉に求婚する新聞記者を登場させ、その極論との対比から、特攻に携わった人たちのメンタリティーがより鮮明に印象付けられていく。

その極論とは、特攻隊員は9.11のテロリストと同じだと断ずるものだ。後半、それを喝破する人物が登場するが、それでもその新聞記者は自説を曲げない。その人物は、戦争を煽り立てておきながら、戦後になると手のひらを反して戦争に携わった人たちを糾弾するような“新聞”というメディアは信用ならんと激昂する。特攻隊員たちが残した文書(遺書など)を字面のまま読み、テロリストと断ずるその新聞記者と、行間を読み、自らを育ててくれた家族への思いまで読み取る、読み取ろうとする人物とを対決させることで、こちらに伝わるものがたくさんあった(新聞記者が追い出されるところでは、心の中で快哉を叫んだが)。


それにしてもお粗末なのは当時の軍の上層部だ。以前にレポした『日本海軍はなぜ過ったか』(岩波書店)にも記されていたことなどで詳しくは書かない。日本はアメリカの物量にのみ負けたのではない。負けるべくして負けたということがアリアリとわかる(勝ってほしかった、という意味ではない)。


最後はミステリー小説ならば大どんでん返しのような展開になっている。姉弟の祖母についての記述もそのどんでん返しも、ちょっと作りすぎた感じを抱いてしまったが、姉弟のこれからの生き方ともかかわる大切な章ではある。


語調は柔らかく緩やかでさえある。頭を悩まされるようなメタファーもない。ご本人がノーベル文学賞なんてとんでもない、とどこかで発言されていたが、確かに大江健三郎さんや候補者の村上春樹さんとはぜーんぜん違う。本屋大賞受賞(『海賊とよばれた男』上・下/講談社)をとっても喜ばれていたそうだが、百田氏の立ち位置はそこらあたりなのであろう。


この本のレポ数は多い。ワタシのように作品そのものの感想や考察とは別のことをグダグダと書かずに必要なことをさーっと一筆書きのように書かれたねこ太郎さんやAokiさん、アーミーさんたちの鮮やかなレポ、tomoさんのように「本当はいろいろなことを思いました。それがあまりにもたくさんあって」というレポ文には共感する(お名前を勝手に書かせていただきました、すいません)。ここに引用しなかったけど、どなたのレポも「そうそう、そうだ」と思わせられるものばかりで、この本の魅力、価値が伺えるというものだ。本書を読まれたならば、ぜひ他の方々のレポも読まれてみてはいかがだろうか。


東京出張の行き帰りや宿泊先、そして帰宅してから読んだものだが、京急の電車の中ではこらえきれずに涙して、思わずぬぐって周りを見ればスマホを操る人が大勢だったのは良かったのかどうなのか? 飛行機は揺れずに目的地まで行き、無事に高知に帰ってきたが、こちらの心は(特に帰りは)揺れどおし、帰ってからも涙で周りが見えなくなることしばし…。稀有な読書体験であった。

出張前に読書中の作品があったのだが、それは判が大きく携行には不向きなので、この『永遠の0』を携えて東京に行った(お得意の並行読書)。その読書中の作品も第二次世界大戦を扱ったものであったのは、単なる偶然だろうか?

アニメ『風立ちぬ』- ゼロ戦 -『永遠の0』- 第二次世界大戦 -「生きねば。」

そのアニメ映画も未視聴であるにも拘わらずタイトルに使わせてもらったのは、本書から受けた印象から。ただ、戦中に「生きねば」と公言するその心情、勇気、そして本心を知ることとなったのは初めてであった。

ルポルタージュではなく、フィクション(小説)なので、真実かと疑うようなことは言いっこなしにしよう。


最後に。

文庫解説は児玉清さんだ。この解説以上のことを述べることなどできないと思うほどの熱い文章で、読み手としての力量と歩んできた人生の深さの差を痛感する。作品そのものの魅力に解説の魅力が加わった当文庫版がオススメ。そんな児玉讃の意をこめて『ひたすら面白い小説が読みたくて-文庫解説コレクション』(中央公論新社)という本を読みたい! と心の中で叫んでこのレポは閉じることにしよう。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
再読レビュー
再読レビュー日 : 2013/12/29 

(再読じゃないですが)映画を観てきました。

結論:とってもよかった。

人が戦争で亡くなってしまうシーンも必要最小限で止められ、小説では必要な人物のシーンも映画では別のシーンに置き換えることでスッキリさせていた。もちろん、全エピソードはなぞれないので、必要なものだけを取り上げ、その中身を濃くしていた。

そして何より、役者がいい。平幹二朗さん、山本學さん、橋詰功さん、そして田中泯さん。それから、今年お亡くなりになった夏八木勲さんも素晴らしい。三浦春馬くんたち若手も大健闘。主演の岡田准一さんも期待を裏切らず。

しかし、この映画の主役は脚本も書いた監督の山崎貴さんだろう(『Always 3丁目の夕日』の監督)。

終わり方が実に見事。

タグ
この書籍の他のブクレポ
book_report_footer

ブクレポの輪

ブクレポの輪とは?

このブクレポへコメント

高橋です!さんがこのブクレポにコメントしました

高橋です!
高橋です!さん2014-01-03 08:02:22

私も、つい先日映画を観に行きました。小説とはまた違った意味でおもしろかったです。

ムーミン2号
ムーミン2号さん2014-01-03 08:07:50

うまく作ってありました。終わり方が良かったです。

705番目の宇宙さんがこのブクレポにコメントしました

705番目の宇宙
705番目の宇宙さん2013-08-08 19:46:42

先日、宮崎駿監督の「風立ちぬ」を観てきました。百田尚樹さんの「永遠の0」を先に読んだせいか、0戦の知識が多少あったからか、観終わった後、しばらく涙が止まりませんでした。美しいものを作りたかった堀越二郎。でも、それは人殺しの武器であり、そして一機も帰ってこなかった。ユーミンの「ひこうき雲」の「空にあこがれて」の歌詞がとても切なく思えます。

ムーミン2号
ムーミン2号さん2013-08-08 22:12:31

7月末ごろ、ワタシも観ました。美しい飛行機を作りたい二郎は、当時にあっては戦闘機を作るしかなかったのでしょう。だからこその夢の中でカプローニと飛行機をめぐっての対話をしているのかな? と。
ワタシは二郎と菜穂子の「愛」にほだされ、涙しました。

 ムーミン2号さんのブクレポ

動物への思いやり
ニルスのふしぎな旅 2
4
あり!:50     コメント:0
漫画大国
金魚屋古書店 1
4
あり!:45     コメント:0
座右のゲーテ
鞄図書館 Volume1
4
あり!:58     コメント:2
不思議の国の御子柴くん
図書館の主 7
4
あり!:50     コメント:0

 この書籍のブクレポ

想像は人それぞれにゆだねられる?
ヨチズさん
4
あり!:56     コメント:0
“BAKA-BOMB”…泣きました。
saeさん
3
あり!:11     コメント:0
本当に全力で「生きる」ということ
シャワさん
5
あり!:61     コメント:0
結末を読む前から号泣
705番目の宇宙さん
5
あり!:50     コメント:0

  百田尚樹の書籍のブクレポ

読まなくてもいいかも
戦争と平和
4
あり!:40     コメント:0
囲碁に人生を捧げた一人の男性
幻庵 下
3
あり!:50     コメント:0
その瞳は神か悪魔か。
フォルトゥナの瞳
4
あり!:28     コメント:2