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書誌データ

小説・エッセイ
スイッチ・パブリッシング
2012年 11月 発売
397P
9784884184308

内容紹介

誰よりもシンプルな言葉で、誰よりも深い世界を描く。新訳で贈る短篇集。ヘミングウェイの決定版19篇。

ヘミングウェイのスタイル

5

ヘミングウェイ・スタイルと検索すると数多くのファッションについての情報が出てきます。文豪ヘミングウェイはそのライフスタイルにおいてもいまだに独自の存在感を放っているようです。

しかし私が言いたいヘミングウェイのスタイルとは「文体」と言い換えてもいいかもしれません。

内容紹介にもシンプルに書かれているように「誰よりもシンプルな言葉で深い世界を描く」あるいは描こうと志した作家、それがヘミングウェイであったと感じるのです。


数多くの翻訳書が出ていますが、柴田さんの独自の好みでチョイスされた十九編がおさめられています。

柴田さんの書かれるあとがきがいいのです。

私の考えていることをもっと深く明晰に、簡潔に書かれているように感じました。

「ヘミングウェイが後世に影響を与えたのは、何といってもその、美文調を廃し、シンプルな言葉に徹して、人物の内面に安易に入り込まない、ほとんど禁欲的とも言えるその徹底した文章術を通してであるに違いない。」

そしてその文章術はヘミングウェイが独自に編み出したものではなく、アメリカに根ざした文学の流れ、ホーソンからホイットマン、そしてマーク・トウェインにいたるアメリカ的言文一致を引き継ぎ、トウェインに見られた土着性をそぎ落とした文章術を作り上げたと述べられています。


さらに同時代の対象的な作家としてのフォークナーをあげ、簡潔に走りすぎたヘミングウェイをある意味で補完するような濃密で長大で濃厚なアメリカの南部に土着した文学を作り上げたことを書かれていますが、全く同感です。その二人が互いに作品を(とくにヘミングウェイがフォークナーのそれを)認め合っていることも興味深い事実です。


しかし模倣するとなるとフォークナーは難解にすぎ、後世の作家に与えた影響度の多寡としてはヘミングウェイが圧倒的に多いと言えます。

つまり一見「真似しやすいスタイル」だったという訳です。レイモンド・チャンドラーやブローティガンなど多くの作家にその影響が見られます。

「みなヘミングウェイの文章を、自分の知る時代、場所にあわせてローカライズしたと言ってもいいだろう。」

そして日本の作家、小川国夫や筒井康隆もその影響を認めているそうです。たしかに会話のみでなりたったような小川さんのいくつかの作品はヘミングウェイそのものだなと、何故それに気付かなかったかも含め感服した次第です。


『ヘミングウェイの作品のなかで特に短編が重要でそれも二十六歳で出した「われらの時代に」を最高傑作と見る人が多い。僕も同意見であると書かれています。』その意見、私も大賛成です。


納められた十九編の内訳ですが柴田氏の好みにより「アフリカもの」や「男女関係を中心に据えた作品」は省かれほとんどがニック・アダムスを主人公にした作品でなかでも「心臓が二つある川」や「戦うもの」「殺し屋たち」などは印象が強いです。


ヘミングウェイが「氷山理論」と称したなるべく書かない手法は今でも人を、現代を描くのに(つまりは疲れどこか壊れた人々を描くのに)とても有効な手段であるのだと再確認できた一冊でした。


後日談として本書を読み終わったあとに手にした、日本のエンタメ小説が薄っぺらで言い訳や説明だらけの言葉の羅列にうんざりして読み進めるのに苦労し、その読後感も悪かったことを付け加えておきます。

それだけヘミングウェイのスタイルは本物の輝きをもっていたと、そう言えそうです。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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