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書誌データ

小説・エッセイ
集英社
2015年 11月 発売
314P
9784087716375

内容紹介

地方の商店街に古くから続く仏具店の嫁・菜々子と、夫の転勤により社宅住まいをしている妻・光稀。そして移住してきた陶芸家・すみれ。美しい海辺の町で、三人の女性が出会う。自分の居場所を求めて、それぞれの理想郷を探すが―。

心の中は見えない

3

この作品の主人公は、3人の女性たちだ。

地方の田舎町である鼻崎町で、医者の娘として生まれ育ち、古くから続く仏具店の嫁となった堂場菜々子、水産会社に勤める夫の転勤に伴って町に引っ越してきた、相場光稀、岬にある、芸術家が多く住む<岬タウン>に移住した、星川すみれ。地元民・転勤族・移住組という、立場が全く異なる女性たち。その女性たちが、あることがきっかけで、結びついていくのだが・・・


菜々子の娘・久美香(小1)は、幼稚園の時に事故に巻き込まれ、車いすで生活している。

<岬タウン>に移住してきた芸術家たちは、地元の人々に、町の素晴らしさに気付いてほしいと考え、15年ぶりに、商店街での祭りを企画したのである。祭りは、予想外の盛り上がりを見せたのだが、その最中に火災が発生する。火元は、コロッケなどの無料配布をしていた店舗だったのだが、ちょうどその時、光稀の娘である彩也子(小4)と久美香が、その店にいたのである。避難する際、歩けない久美香を背負っていた彩也子は転倒してし、額に怪我をしてしまう。


町には、芸術家たちが、自分の作品を販売する店舗があるのだが、火事のことより、祭りのスタンプラリーが気になっているらしい彩也子は、光稀とともに、その店を訪れる。そこで彩也子は、翼の形をした陶器のストラップに目を留め、それを2つ欲しいと言うのだ。そして、1つは自分用に、もう1つは、久美香にプレゼントしたのである。


その後、彩也子が書いた詩が新聞に掲載される。そこには、歩けない久美香に、翼を付けてあげたい、片方の翼だけでは飛べないが、二人の翼を合わせて、遠くまで飛んでいきたい、というようなことが書かれていたのである。先日、彩也子がストラップをねだったのには、そんな意味があったのだ。

ところが、そのストラップの作者であるすみれが、その詩を、彼女のウェブサイトにアップさせてほしいと言い出したのだ。菜々子と光稀は、ある理由から躊躇したが、結局、承諾したのである。


すると、すみれの作品は評判となり、注文が殺到するようになる。購入者の中には、久美香よりも症状が重い子どももいた。全国から、励ましのメッセージも寄せられ、それらがきっかけとなり、売り上げの一部を、車いすで生活する人たちを支援する団体に寄付するための、「クララの翼」を立ち上げることになったのである。「クララ」というのは、もちろん、「アルプスの少女ハイジ」の「クララ」からとったものだ。


しかし、何をやっても、それを見ている人々の感じ方はそれぞれである。「クララの翼」にしても、応援してくれる人がいる一方で、心無い噂を流す人もいる。彩也子は、額に残った傷痕を、「ツキノワグマ」とからかわれ、久美香に関しては、実は歩けるのではないかという噂が流れる。小学校では、トイレに行くのまで監視され、道具を、ロッカーの高いところに置かれたりという嫌がらせをされるようになる。


子どもの世界だけでなく、大人の世界でも、同様である。菜々子、光稀、すみれの3人でさえ、仲がいいという感じは全くしない。やはり、地元民・転勤族・転入組という違いは大きいようで、町に対する感じ方だけでなく、人に対する感じ方も異なるようだ。さらに、同じ種類の住民の中でも、表面上はうまく付き合っているように見えて、裏では、何を言っているかわからない。結局、一番信頼できるのは誰なのか?


この作品、正直、テーマが見えにくかった。実は、5年前の殺人事件まで絡んでくるのである。<岬タウン>というのは、もともとは、別荘地として売り出す予定だったのだが、そこで殺人事件が発生し、別荘地としては売れなくなってしまったという経緯があるのだ。


菜々子は、イライラしたり、嫌なことがあったりすると、花のモチーフを編むことにしている。それは、彼女の義母直伝なのだが、単純作業をすることによって、心を無の状態にできるらしい。しかし、この、「花のモチーフ」が、殺人事件の、重要な鍵となるとは思わなかった。


登場人物たちは、それぞれの「ユートピア」を探し求めているようだが、「ユートピア」なんて、どこにもないと、本当は気付いているのだろう。


最後は、湊さんらしいまとめ方だったが、全体の印象としては、いまひとつ「キレ」が感じられない気がした。


「善意」の裏側には、とんでもない「悪意」が潜んでいるのかもしれない。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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