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書誌データ

小説・エッセイ
KADOKAWA
2016年 04月 発売
342P
9784041032084

内容紹介

信じていた恋人に騙され、職業もお金も、居場所さえも失った25歳のエミリ。藁にもすがる思いで10年以上連絡を取っていなかった祖父の家へ転がり込む。心に傷を負ったエミリは、人からの親切を素直に受け入れられない。しかし、淡々と包丁を研ぎ、食事を仕度する祖父の姿を見ているうちに、小さな変化が起こり始める。食に対する姿勢、人との付き合い、もののとらえ方や考え方...。周囲の人たち、そして疎遠だった親との関係を一歩踏み出そうと思い始める―。「毎日をきちんと生きる」ことは、人生を大切に歩むこと。人間の限りない温かさと心の再生を描いた、癒やしの物語。

「凜」という、風鈴の音色に導かれ・・・

4

妻子ある男性とは知らずに、職場の上司と付き合い、それが、妻や、職場の同僚に知られることになり、仕事もお金も居場所も、そして恋も失うことになった、25歳のエミリ。
彼女の両親は離婚していて、父親は、新しい家族と幸せに暮らしているし、母親は、年下の男と暮らし始めているし、兄は、アメリカで暮らしているし・・・。エミリが頼れる人物は、母方の祖父だけだった。

エミリは、15年ぶりで、千葉県の龍浦という海辺の田舎町に住む祖父・大三の家を訪れる。無口で、余計なことはしゃべらない大三だが、部屋はきれいに掃除してあり、布団も干しておいてくれたようだ。そして窓には、大三が作った風鈴が吊るされ、「凜」と、澄みやかな音を奏でている。

エミリは、大三に誘われ、釣りにでかける。そして、自分で釣った魚を、大三が料理し、食べてみると、そのおいしさが、傷ついた心に沁みわたり、エミリは、自分が涙ぐんでいることに気付く。
それからも、テレビもない静かな生活の中で、新鮮な魚や野菜を使った、おいしい料理を食べ、エミリは、胃袋から癒されていくようだった。

そんな彼女は、カフェを営むサーファーの直斗という青年に一目ぼれしてしまう。しかし彼には、京香という、モデルのように美しい幼なじみの女性がいるのである。京香に、ライバル心を感じるエミリだが、二人の絆は、単なる幼なじみとも恋人とも違う、深い所で結ばれていることに気付く。ちょっとした失恋気分だが、エミリは、あっさりと受け入れることができ、前向きな気持ちになるのだった。京香は、エミリをそんな気持ちにさせてしまうほど、素敵な女性なのである。

直斗、京香、そして、お調子者の心平という友人もでき、少しずつ変わり始めたエミリだったが、彼女のところに、元同僚の沙耶が遊びに来たことで、状況が一転してしまう。直斗と心平と一緒に、居酒屋で飲んでいたのだが、そこに、心平が呼んだ京香が加わると、場の中心を奪われた気分になった沙耶が、エミリがこの町に逃げてきた理由をばらしてしまったのだ。彼女は、いつも、毒をまき散らすようなタイプの女性なのだ。エミリの噂は、店にいた客から、瞬く間に、町中に広まってしまったのである。

大三も、直斗、京香、心平たちも、エミリが訳ありでこの町に逃げてきたことに気付いていても、エミリが、自分から話そうとするまで、理由を尋ねようとはしなかった。そして、知ってしまってからも、まるで、何も聞かなかったかのように、それまでと、何も変わらない態度で接してくれたのである。尾ひれまで付いた噂に、再び傷つくエミリだったが、彼女は、大三たちの温かい心に支えられ、前を向いて歩き始めようとするのだった・・・

この作品、冒頭は、ちょっと物騒な雰囲気で始まるのだが、その場面が、作品の中で、再び描かれることはない。しかし、ラストで、それが、実に効果的な演出となるのだ。それ以外にも、この作品は、実に見事な構成になっている。龍浦に向かう電車の中で出会った親子とのエピソードや、壊れてしまったウクレレ、そして、大三が、毎日、エミリに研がせていた包丁。それらが、とても素敵なエンディングにつながっていくのだ。

“世界は変えられなくても、気分は変えられる”
“すごい人にはなれなくても、いい人にはなれる”
“自分の存在価値と、自分の人生の価値は、他人に判断させちゃだめだよ”
など、心に沁みる言葉が散りばめられた作品でもあった。

誰かを喜ばせることのできる、“やさしい武器”を手に入れたエミリ。
「凜」という風鈴の音色が、進むべき道に導いてくれるような、温かく、やさしく、そして、おいしそうな作品だった。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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