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書誌データ

小説・エッセイ
幻冬舎
2016年 09月 発売
507P
9784344030039

内容紹介

私はまだ、音楽の神様に愛されているだろうか?ピアノコンクールを舞台に、人間の才能と運命、そして音楽を描き切った青春群像小説。著者渾身、文句なしの最高傑作!

題名がいまいち、伝わってこないけれど……

5

まーちさんも絶賛されていた、国際ピアノコンクールを描いた作品です。

作者の筆はあくまでストレートに音楽に挑む若者とそれを評価するという、困難な仕事を引き受けた審査員を描いています。


異形のとんでもない才能をもった登場人物が、いきなり登場して思いもかけない方向へ物語を引っ張っていく。見たこともない、聞いたこともないやり方なのだけれど、とても魅力的な存在。

そんな物語は、とても素敵な傑作になる要素がたっぷりと詰まっていると言えるでしょう。

人並ではない、才能のきらめきと、その大きさを持て余しながらも運命的に道を歩み始め、気が付いたらその足取りは早く、早くなり、疾走しているのにちっとも苦しくない。

読者はそのような自分とは異なる才能を、きらめきを見せてくれる登場人物が読みたいのだと思います。

ヒーロー然としたスカーフを首に巻いていなくても、恩田陸の描く物語のヒーローたちは颯爽としています。

この前に読んだ「チョコレートコスモス」は演劇のミューズに好かれた女性たちの物語でしたが、今回は国際ピアノコンクールという最高に高度で難易度の高い壁に挑む若者たちの姿を描いています。

くわしくはまーちさんのレポを参照していただきたいです。とても私にはあのように簡潔にわかりやすく、けれど作品の雰囲気や香りをそのまま切り取ってきたようなレポは書けませんので。

私にできることは、個人的な感想、印象をブツブツとつぶやくことぐらいです。


四人の主な登場人物を作者は設定し、その心の動きや動揺、悩み、そして成長していく過程を描いています。同時にピアノコンクールというお祭りの仕組みや過程をわかりやすく解説もしてくれているようです。

そして特徴的なのは、音楽という特殊な世界を言葉に置き換えるときに、恩田陸はけして大げさにならず、控えめに均質な表現で音を言葉に置き換えようとしてることだと思います。

例えに出すと貶すようで、気が咎めるのですが、例えば中山七里さんの作品で音についての表現はやはり大げさで、どうしてもだんだん強度を高める表現になっています。つまり強弱で、その大きさ、固まりをしめすというやり方だと思います。

それに対して恩田さんは、聞こえてくる音をそのままに等質な言葉に置きかえていこうと決意しているかのようです。だから物語が進んでいっても、その表現は嫌味に感じられないのだと思いました。


そして主な四人がそれぞれに抱えている過去や今現在の不安や問題もふくめ、とても身近な等身大の人間に思えること。

無邪気で天才的な、独創的な演奏をみせる風間塵。ラテン系でありながら素直な感性を交換度高い演奏で表せるマサル。一度天才少女としてデヴューしながら頼っていた母の死で、演奏という世界から逃げ出した過去をもつ栄伝亜夜。二十八歳と遅咲きの挑戦ながらその人柄が伝わってくるような温かい演奏を見せる明石。


目立っているのはトリックスター的な役割を与えられた少年(まさにあどけない少年という容姿も行動もその役柄を演じきっている印象がある)風間塵。かれはそれまで正規の音楽教育を受けたこともなく、自分のピアノももたず、最初の予選会には養蜂家である父の手伝いをした後に泥だらけの手で会場にやってくる。入賞したら買ってもらえるピアノを目当てに。

しかし彼はその少し前に亡くなっていたホフマンという偉大な音楽家の推薦状を携えていた。どころか信じられないことにホフマンの弟子だったという。

彼の演奏をどう聞き評価するか、が審査員たちのいわば与えられた課題となる。


そして一次、二次と審査は行われ、当然のごとく完成度は高い物のその内面に、芸術性、訴えに値する中身を持っていない演奏者ははじかれていきます。


上記四人のうち三人が本選、つまり最終審査に勝ち残りそれぞれに個性的な演奏を披露し、順位が決まるところで本作は終わるのだが、読み手もその過酷な審査につき合わされて必死に考え聞こうとする気分を味わうことができる。

音楽とは何か、という命題までひょっこりと姿を現しそうな気配があるのです。

最後のページにコンクールの最終評価、順位が載っていますが、やや意義ありというか私にはうなずけない物でした。本当にこの人が一位なの、と。


個人的には演劇という会話、言葉をやり取りする世界のほうが理解しやすかったために、チョコレートコスモスにくらべてその高揚感、雷に打たれたような(遠雷だと思っていたらいきなり目の前に落ちたような気分)にさせてくれる度合いはやや低かった。すべて私の素養、教養不足だと感じる。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
メモ
クラッシックのソムリエに挑戦されたこともあるムーミン2号さんのレポをぜひ読みたいと思いました。
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このブクレポへコメント

ムーミン2号さんがこのブクレポにコメントしました

ムーミン2号
ムーミン2号さん2016-11-08 22:04:16

ソムリエにはなれそうもないので、レポはご勘弁ください。

こたろう
こたろうさん2016-11-09 01:13:44

無理を言ったようで、すみませんでした。
すぐにではなく、気が向いたときににでも読んでもらえたら幸いです。

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