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書誌データ

新書・文庫
KADOKAWA
2016年 12月 発売
253P
9784044002312

内容紹介

古来、他者との関係性や自然を大切にしてきた日本人。その豊かな文化を映しこんだ美しい言語である日本語を、言語学の第一人者が多くの事例とともに解説。日本人らしい表現や心を動かす日本語、間違いやすい言葉、「が」と「は」は何が違うのか、相手にわかりやすく説明するための6つのコツなどを、具体的なアドバイスを交えつつ紹介。人を引きつける、美しい表現と伝え方で日本語力が一段とアップする、実践的日本語講義。

目次

第1章 「常識度」模擬試験(敬語のカン違い/理屈に合わない表現/あいまいな言葉の使い方/日本人らしい表現)/第2章 周りを引きつける人の日本語力(じょうずに話すということ/おもしろくて役に立つ文法の話)/第3章 「話せばわかる」日本人の本音(日本人の「はい」と「いいえ」/「おはようございます」は業界用語?/眼目は最後の最後に/卑下と自慢は紙一重/いずれ相談いたしまして/「弁解するようだが」と言う人)/第4章 日本人の心を動かす言葉(やっぱりこだわってしまう一言/よくも悪くも日本人)/第5章 言葉の背景を学ぶ(変わるものと変わらないもの/方言は短い文学である)

ことばの美しさとは

4

「金田一」くらいしか見ずに読み始めたら、「春彦」氏の方だったんですね。没後10年を過ぎて、まだ、イキイキとしています。

もとは、「日本語を反省してみませんか」という新書として、それまでに書いた原稿を手直しして集めたものだそうで、エッセイ風に書かれています。文庫化にあたって、角川が改題したのかなあ。

エッセイ風なので、話があちこち飛ぶ。だから、気になったものだけピックアップすることにします。

他動詞より自動詞を好む
「お茶が入りました」
当然、勝手に入らない。入れたのは、きっと声をかけた本人だろうが、「お茶を入れました」とは言わない。お茶がひとりでに入ったように、押しつけがましさを除いていう。
なんでも間接的にいう癖のある日本人、ものすごく自動詞が多いのだそう。

「が」は素晴らしい助詞
小学校で、「○○は」「○○が」が主語と習ったが、実は主語をあらわすといえるのは、「が」の方だという。
「は」は、主題をあらわす。だから、目的のものにも使う。例として、「大仏は見るものにして尊まず」が挙げられている。一見して、主語が大仏に見えるが、意味は、人は、大仏を見るものであって、尊ばない、となるのである。
とにかく、主格をあらわす助詞があることで、誰が行為者かはっきりするという。でも、日本語は主語を省略しちゃうけどね。

「はい」の反対は、「いいえ」ではない
英語の「yes」と「no」は同格だけれど、日本語の「はい」と「いいえ」は違う。
日本語は、そこに、好悪の区別があるからだという。
「コーヒーを飲みますか」
と、訪問先で問われたとき、
「いいえ、飲みません」
とは、およそ日本人らしくない。
「ありがとうございます」
と、まずは相手の厚意に感謝してから、
「しかし、コーヒーは飲みつけませんので……」
とでもいうのが日本人らしい。
というわけで、日本人が「いいえ」を使うのは、
「あなたの○○は、何とも素晴らしい」
「いいえ、とんでもない……」
のようなときである。
そうなのだが、最近は、どうも違ってきている気がするなあ。

古典の中の姿
日本語の心的表現の中で、極端に少ないのは、恋愛に関するものであるそうだ。しかし、貴族の中で和語とは、生活言語であると同時に、恋を歌う重要なものであったと考えると、そのギャップが興味深い。どうしても、「悲しい」類の言葉ばかりなのだという。
「君の名は」という映画が先年大評判をとったが、古代は、そんなことをして女が答えたら、結婚の承諾だし、そもそも、男女二人きりで会うというのは、ベッドインまで含んでいたから、姿を見られることは、今なら全裸を見られるほどに恥ずかしいというのは知っていたが、言葉にして表すだけでも、相当の勇気が要ったというのは初めて知った。

   長からむ心も知らず黒髪の乱れてけさはものをこそ思へ

というのは、今でも十分にエロティックな歌だと思うが、今なら、ヌードを公開するようなもの、というのには驚いた。後年、「みだれ髪」で、「やは肌の……」と与謝野晶子が歌ったのは、それを踏まえてのことなのだろうね。

大事なものは、言葉にあらわれる
日本語に多い言葉といえば、どんなものだろうか。
例えば、イヌイットには雪に関する言葉が多いと聞く。
普段かかわりが深く、また、大切に思うものに関しては、言葉の種類が多くなる。
英語では、「brother」「sister」で、兄弟姉妹に上下の区別がないが、日本語では、生まれ順に言葉を変える。おじ・おばと、日本の音では違いがないが、伯叔の字を変えて、中国では、言い分けるのだろう。
ここに挙げられている例では、料理の例が各国違って面白い。
日本の「焼く」は、roast、broil、grill、bake。
英語の「boil」が、日本では、沸かす、炊く、煮る、ゆでる。中国語では、12種類もあるのだそうだ。
しかし、世界一といえるのは、植物の名だという。
「名もなき花」というと、母は、「知らないだけでしょう」というのは特別としても、日本人は、植物に名ばかりか異名をつけるし、よく知っているらしい。そういえば、海外旅行で、「日本人は、よく、植物の名前を聞くし、知っていますね」といわれたこともある。
「言海」を引いた外国人が「これは、植物の名ばかりではないか」といったというエピソードも面白い。
さらに、二枚の葉を差し出し、問答することで、音韻体系と文法体系をマスターする方法を、アメリカの言語学者のK・L・パイクが実演したエピソードも興味深い。
昭和30年ごろである。英語での二枚の葉についての問いに対し、日本語しか知らない回答者の女学生は、「アオキの葉」「わかりません」と答えた。パイクの期待した答え「大きい葉」「小さい葉」ではなく。そして、ついに、実演は成功せず終わったというのだが、ほかの国ではこれがまず、成功するのだろう。しかし、日本人の多くは植物を示されて、植物名を問われていると思うのが当たり前で、「葉っぱ」といえば、幼さに笑われるのが不通なのだ。
奇しくも、日本では、「言の葉」というほどに、言葉は植物を愛している。
+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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