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完結! » « 警察御用達探偵としての今日子さん
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書誌データ

小説・エッセイ
祥伝社
2016年 02月 発売
400P
9784396634865

内容紹介

「北条家の旧領関東二百四十万石を差し上げよう」天正十八年、落ちゆく小田原城を眺めながら、関白・豊臣秀吉は徳川家康に囁いた。その真意は、水びたしの低湿地ばかりが広がる土地と、豊饒な現在の所領、駿河、遠江、三河、甲斐、信濃との交換であった。愚弄するかのような要求に家臣団が激怒する中、なぜか家康はその国替え要求を受け入れた...。ピンチをチャンスに変えた究極の天下人の、面目躍如の挑戦を描く快作誕生!

何もない、ということは、自分でイチから創りあげられるということ。

5

天正18年(1590)。
いまを時めく豊臣秀吉は、徳川家康にむかって、親切ごかしにこんなことを言います。

北条家が持ってた関八州をあげるよー。だからかわりに、いま持ってる駿河・遠江・三河・甲斐・信濃ぜんぶ貰うねー。

しっかり治め、愛着のある所領を擲って、広いとはいえ全く知らない、何もないド田舎に移れと?

ヒデェ・・・

と誰もが思いましたが、そこに未来を感じるところが未来の天下人の所以なのです。

何もない、ということは、自分でイチから創りあげられるということ。
そして家康の、都市開発大プロジェクトが始まるのです。


利根川がかつて東京湾に注いでいたとは知らなかったなあ。板東太郎と呼ばれる大河を東に思い切り捻じ曲げて、渡良瀬川に合流させてしまうという・・・なんという荒業。
これにより、泥地は広大な平野に。農地ができ、人も増え、やがては百万都市に。・・・そして今に至り、どこまで行っても街が途切れない、広大な首都圏となるのです。
ちなみに、この利根川東遷事業を妖怪ワールドに引っ張ってきたのが、畠中恵の「太郎君、東へ」ですね。

新たな都市には新たな通貨を。
上質で使い勝手のよい貨幣を江戸で作り、上方の貨幣を駆逐する。徳川が管理する通貨が流通を握ればもう最強。お金を鋳造する者がすべてを手中にするのです。

江戸は上水道が整備されていたことでも有名です。
でも江戸は、元々水質のよい土地ではなかった。原野に分け入り、よい水源を求め、延々と水路を開削する。
市中に入り、城郭の中に入るために、外濠との合流を避けて立体交差。高いところに水を運ぶための工夫。

江戸城の石垣のため、質のよい石を求める石切。切り出された石を、絶妙なバランスで積んでゆく石積み。

平和な世に天守は必要なのか。どんな天守が必要なのか。漆喰で塗られた純白の天守の意味するものとは。

物語の主役は、事業を手がける現場の人々です。
三代にわたる人生をかけた大規模工事、将来を見据えた野心、試行錯誤や協力、己の職分にかける想い。

江戸の礎を築いたのは徳川家康ですが、それとともに、それぞれのプロがそれぞれベストを尽くした結果なのだなあと。
とにかくわくわくして、一気に読み進めました。


作者が徳川に興味を持ったのは、おそらく自分の名前が慶喜だからだろうに違いない。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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現在の東京があるのは、家康公のおかげ
まーちさん
4
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