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書誌データ

新書・文庫
文藝春秋
2016年 11月 発売
232P
9784166610945

内容紹介

とんでもない犯罪を平然と遂行する。ウソがバレても、むしろ自分の方が被害者であるかのようにふるまう...。脳科学の急速な進歩により、そんなサイコパスの脳の謎が徐々に明らかになってきた。私たちの脳と人類の進化に隠されたミステリーに最新科学の目で迫る!

目次

第1章 サイコパスの心理的・身体的特徴(サイコパス事件簿/サイコパスの心理的・身体的特徴とは?)/第2章 サイコパスの脳(サイコパスの脳の知覚能力、学習能力/「勝ち組サイコパス」と「負け組サイコパス」)/第3章 サイコパスはいかにして発見されたか/第4章 サイコパスと進化/第5章 現代に生きるサイコパス/第6章 サイコパスかもしれないあなたへ

ドキドキさせる、ドキドキしない人

4

「サイコパス」というのを最近よく耳にするようになったのは、「ホンマでっか」で、異常心理学研究の杉浦氏を目にしてからでしょうか。なんとなく、「異常犯罪を平然と行う犯罪者とその予備軍」という印象で、差別用語にも聞こえ、定義そのものはよくわかっていませんでした。

本書は、脳科学研究者間中野信子氏のものです。ですから、脳科学からの分析や、事例の提示が多くあります。
その定義の記述によると、そもそも「サイコパス」という言葉自体が、連続殺人犯などの反社会的な人格を説明するために開発された診断上の概念とのことで、スタートが、犯罪側なんですね。日本語ではもともと「精神病質」と訳されていたそうです。しかし、精神医学においては、「サイコパス」というものはなく、「反社会性パーソナリティ障害」という診断基準になるそうです。
最近、自閉症をスペクトラム(連続体)としてとらえるようになりましたが、それと同様、情動面、対人関係面、行動面においての複合的な障害といえ、「サイコパシー傾向の高い人」というものも含め、段階的に分布しています。男性の全人口の0.75パーセント程度、サイコパスだとしている研究もあるそうです。大体1パーセントと考えると、日本では、120万人程度いる計算になります。

特徴が挙げられていますが、多くなるので、要約して列挙します。
・ナルシスティックで過剰に魅力的
・恐怖や不安、緊張が少なく、堂々としている
・通常、ためらいうような、反倫理的・危険なことを平然と行い、大胆
・崇拝者を生むような人ころがし
・話を盛ったり主張をころころと変える
・ビッグマウスで飽きっぽく、継続性が足りない
・傲慢で尊大、折れない、懲りない
・付き合う相手が変動し、その後、悪口を言う
・人当たりはよくても共感性は低い
です。すべての項目に当てはまる必要はありません。そして、サイコパス=犯罪者ではありませんが、反社会的行動をするサイコパスには、上記のように、欺かれる可能性が高いようです。ルールハックを平然とするため、良心に基づいて、道徳的に判断している通常の人から見れば、、合理性が高く、知的に見える部分もあり、ややこしくなります。

実際にサイコパスが問題になるのは、犯罪者に含まれる割合からのようです。人口の1パーセントであるサイコパスは、収監された受刑者の20パーセントに及ぶという研究もあります。累犯率も高く、暴力的傾向も高いようです。

身体的特徴もいくつか明らかになっているようです。顔でもその特徴があるのですが、誤解のない書き方をする自信がないので書きません。例えば、男性と女性では、明らかに男性の方が犯罪率が高いのですが、「男性は犯罪者」とはならないように、サイコパス=犯罪者ではないからです。場合によっては有利に働いたり、文化によっては歓迎される特徴でもあります。実際に少数民族の中で、サイコパシー傾向の高い集団というのもあるようです。

興味深い特徴に、「心拍数が低い」というものがあります。血圧測定をすると一緒に表示される心拍数が高いわたしは、「ああ、小動物と同じで早死になんだな」くらいに思っていました。しかし、心拍数が上がる場面には、緊張する場面があることからわかるように、心拍数が低いということは、逆に、いつも落ち着いている、あるいは見えるのがサイコパスの特徴といえるようです。心拍数がもともと低いと、ドキドキしにくい体質であるそうです。そして、通常状態では、「調子が悪い」ため、心拍数を適正にするために、緊張場面を自ら作り出す、という仮説もあるそうです。ドキドキは抑止力なのです。つまり、わたしは緊張しぃなんですね。当たっています。よく『大胆』といわれますが。(笑)

脳機能の違い、つまり「障害」の報告もあるようです。海馬、後帯状回、脳梁、偏桃体、これらに反応や形状の違いがみられるそうです。

サイコパスには、道徳心に特徴的な偏りがあるそうです。
道徳心の分類では、
× 1.他人に危害を加えないようにする
× 2.フェアな関係を重視する
◎ 3.共同体への帰属、忠誠
◎ 4.権威を尊重する
◎ 5.神聖さ、清純さを大切に思う
の様に偏ります。記号は、◎・○・×で、中間を「○」として、本文を意訳しました。

このようにしていくと、サイコパスとは、人に危害を与え、アンフェアな犯罪者、という印象ばかりが先立ちますが、反対に、孤独感を募らせた人物でもあるそうです。このような特性では、他者との信頼関係が築けず、人は、自分に邪悪な思いを持つものとしてとらえ、自分が搾取する側に回ることで守ろうという自営反応でもあるようです。

サイコパスには、「勝ち組」と「負け組」があると分類しています。著者によると、収監されているか、つまり、犯罪をすり抜けるかどうかです。
実は、社会的に階層が高い人ほど、反倫理的振る舞い――実験では、サイコロの目に応じて賞金を出すが、結果は申告制にした場合、うそをつく――をしたといいます。そういった行動をする人が、勝ち組サイコパスになります。

さて。こうなると、サイコパスの治療が気になるところです。
しかし、様々な実験から、下手なやり方は、逆効果であるようです。
ただ、養育環境が、反社会的行動を左右することは言えるようです。脳機能の問題にもあるように、先天的か、後天的かは難しいところですが、よい行動を大いに褒め、規律を教えることは重要のようです。
遺伝の問題で気になることがあります。先日、ネットニュースで、DNA鑑定の会社のうち、倒産したところがかなりあり、究極の個人情報がどのように管理されるのか懸念される、というのをみかけました。こうした情報の流出が、犯罪防止を理由に魔女狩りのようなことにつながらないか、恐ろしくもあります。

中途半端に知っていることが、怖い言葉であったために、本書を読んでみました。
概要だけを書きましたので、恐ろしさばかり感じている人は、中途半端なこのレポではなく、全体像を知ることのできる本書に当たってみてください。
+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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