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書誌データ

新書・文庫
河出書房新社
2016年 11月 発売
313P
9784309414881

内容紹介

生きるための哲学など必要ない人は幸福である。だが、今「生きづらさ」を抱える人が増えている。人生の危機に直面したとき我々に必要なのは、学問としての哲学ではなく現実の苦難を生き抜くための哲学だ。言葉だけの哲学に用はない。精神科医が豊富な臨床経験を基に綴る、絶望を希望に変えた人々の物語。生きる意味と勇気が湧き上がる名著をついに文庫化!

目次

第1章 親と折り合いが悪い人に/第2章 自己否定や罪悪感に悩む人に/第3章 自分らしく生きられない人に/第4章 「絆」に縛られている人に/第5章 自分が何者かわからない人に/第6章 絶望を希望に変える哲学/第7章 生きる意味を求めて

個人を生きることはできない

5

自己と他者の境界。
そうしたものが、以前から気になっていた。
自己評価と、他者評価、何が、個の評価なのだろうか、と。
例えば、目の前にある石ころは、自己評価を行わない。他者が、ダイヤモンドだといい、他者がルビーだといい、他者が河原の石だという。ならば、その石ころは、何者なのだろうか。

ヒトは、生きるために哲学を必要とする。
そうした考えから編まれたのが本書だ。
精神科医として活動の傍ら、多数の著書で知られる岡田氏のよくある書き方のパターンとして、有名人の人生から、分析していくという手法がある。今回もその例に漏れず、歴史上の有名人――主に文筆家や哲学者――の人生を元に、様々に哲学を描き出す。つまり、哲学用語を駆使した、哲学解説の本ではなく、ヒトは、如何に哲学を必要とするのか――睡眠欲・食欲・性欲と同様の欲求にも等しい何かとしての哲学を。
だから、今回の主役は哲学であるが、哲学書ではない。

本書で取り上げられている「親と折り合いが悪い」「自己否定や罪悪感」「自分らしく生きられない」「『絆』に縛られている」「自分が何者かわからない」「絶望を希望に変える」「生きる意味」という生きづらさを抱える人たちの根底にあるものは、岡田氏の著書によくみられる「愛着」に起因したものが多い。
生まれてから幾分か小さいうち、人は、家庭環境が多く影響し、次第に遺伝の要素が出てくる。わたしほどの年齢になれば、「親の育て方が」といえない責任が自身に降りかかってくる。しかし、それでも、「親のあの時の態度・言葉が……」と思わない人は皆無だろう。そして、先に挙げたものの一つだけではなく、複数当てはまると思う人も多いのではないだろうか。

愛着が希薄な人とは反対に、強すぎることも弊害を生む。
愛する人が、檻や絆(絆とは、もともと、家畜を縛る綱から)、鎖といった、縛るものになるか、安全地帯といった愛情の賜物となるか。それは、本人にとって、大きくなって、もうすでに無意味か、邪魔になっていても続けるかによる。邪魔になっているにもかかわらず、幼い時分に大切だった親や養育者に対する関係を繰り返すことで、忠実であり続け、愛されたいという渇望を満たそうとする。
そして、人の対人関係は、幼い日の庇護者との関係を基にして作られる。
そのパターンの再現は、次の3つの「コピープロセス」によるという。
1、過去の重要人物のようになる 2、その人物があたかもその場にいて、今も監督しているようにふるまう 3、その人物が扱ったように、自分自身を扱う
というものである。
通常は、親を批判し、たてつくことで思春期に考え方ややり方を再吟味する。そして、自分なりの対人関係づくりをしていく。

興味深いのは、『夜と霧』のヴィクトール・フランクルの強制収容所での行動である。残酷で救いのない生活から生還を果たすとき、守ってくれたものの一つとして、心の中で、妻や母と常に対話をしたことを挙げていることである。「母ならどう慰めてくれるだろうか」「妻なら、何をしてくれるだろうか」と。
「安全地帯」として機能した対人関係は、その場にいることがなくても、その人を守る。
で、あるならば、人は、誰かとともに生きることを本質的に欲するということではなかろうか。
どれほどの成功者であっても、金銭的な幸福感には限度があり、金持ちがみな幸福であるとはならないように、貧しくとも、生涯の人と生きる、それが、共に暮らすことではなくとも、心の中でともに歩むことができることが、人の求める哲学の根底にある。
そして、そう生きることは、常にだれかと在る。他者は、個人の内に在る。
+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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