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書誌データ

コミック
双葉社
2010年 06月 発売
528P
9784575302349

ウムボルトとは誰なのか?

4

『虹色のトロツキー』最終巻


結局、ウムボルトはノモンハンでソ連と戦う日本軍の一部に駆り出され、そこでの戦いを強いられる。

半分強制的に日本軍に取り込まれた蒙古人たちばかりの部隊、しかも少年ばかりの部隊を率いて、物量的に圧倒的優位に立つソ連軍に向かわねばならない。

日本軍はお互いの連絡も疎であるばかりか、日露戦争の辛勝に胡坐をかいて、武器も比較にならないくらい劣ったものをいまだに使っている。

鼻息ばかりが荒い日本軍人たち。精神論で鼓舞しようとする日本軍人たち。

ウムボルトの進言に耳を貸すのは中間管理職にあたる軍人ばかりで、その上は上記の通り。

昭和16年に真珠湾攻撃で始まった太平洋戦争だが、それ以前、アジアに進出し、ソ連と対峙してまで拡大路線を軍事的に進めていた日本においても、軍の中は第二次大戦でワタシなどが知るおぞましさがそのままあったようである。

その中にあって、ウムボルトは「死ぬな、生きろ、生きて故郷へ帰れ、正しい生き方は必ず見つかる」と前を見て進んでいく。

精神的にもズタズタになった麗花を何度も救い、生きつづけさせたウムボルト。

父親の死の真相も、誰がそれを実行したかも明らかになるが、結局それには拘泥しない。

「非道な犠牲を人に強いるような大義など 正しくはありません!! そんなものは 犠牲になった者達の流す涙の 万分の一の値打ちもない 独りよがりです!!」

と言い切るウムボルトのセリフには、父親を犠牲者としたことを正当化しようとする者への反論であるだけではない、ウムボルトの、ウムボルトを主人公に据えた作者の魂の叫びがある。

そしてそれに何を感じるか、何を思うか。ウムボルトとは誰なのだろうと考えざるを得なくなる。


中学校の社会の時間、教員に「日本はなぜ中国を占領できなかったのか?」と問われ、答えられなかった。地図をよく見てみろ、と言われたがわからなかった。

その教員が用意していた答えは「広さの違い」であった。広大な土地を誇る中国を制圧することなど、当時の日本軍にはとてもできるようなことではなかった、ということらしい。

このマンガを読みながら、そんな40年以上前の授業を思い出したのは、ソ連と向かい合った場所はもともとモンゴル人たちが羊の放牧を行っていた場所で、どこが国境だか境界だかなど誰にもわからないくらいのだだっ広いところだったのである。そこを守るだの、失うだのに何の正義や意味があるというのか? 

上記は一つの例であるが、そんな虚しさをいくつもの場面で感じさせられるマンガだった。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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