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書誌データ

小説・エッセイ
岩波書店
2012年 06月 発売
118P
9784000225946

内容紹介

小川国夫という「太陽」が没した後、ぽつんと宙に残った「月」としての“私”。作家の影として暮らした日々の苦しみと、夫の光を浴びて生きた悦びを鮮やかにつづった、追想のエッセイ。出会いから別れまで、創作の現場を間近で見つめ、支えてきた人による、貴重な回想録。第七回小島信夫文学賞・特別賞受賞。

目次

裸足の少女/美しい人びと/空港/かげろう/銀色の月/私のパリ/二丁目のこおろぎ/シモオさん/蚊帳のなか/重い靴音/旅する原稿/ペディキュア/ふたり/編集者群像/呼吸する産衣/来訪者/続・二丁目のこおろぎ/最後の一葉

小川国夫さんの奥様が没後書かれたエッセイです。

4

それまで文を書くということがなかった奥様の恵さんが筆を執られたのは

夫との五十年余の生活の中で、いつも夫の仕事の周辺をうろうろするばかりであった私だが、相手がいなくなった今、残された、この私なるものはなんであったか、思い出してみようとペンを持ってみた。亡き夫を鏡にして、私を照らし出せば、ぼんやりながら自分の姿が映るのではないかと、儚い望みを持たのだ。」と


けれど「今回は、夫のことを書くのではなく、私のことを書くのだと心に言い聞かせているのに、ついつい夫のことを書いてしまう。」とも書かれています。


しかし夫、小川国夫という文士といってもいいもしかしたら最後の末裔にあたる方かも知れませんが、その生き様がまざまざと浮かび上がってきて、それと同時にその個性的な輝きに照らされてたしかにそばで生きた奥様の姿も光に照射されて浮かび上がっています。


小川国夫、静岡に生まれ戦後の苦しい時期にフランスに留学、バイクであちこち旅行してまわり、帰国後書かれた自費出版の作品集「アポロンの島」が島尾敏雄に見いだされ賞賛を浴びて作家として注目され、その後数々の作品、特にキリスト教とのかかわりを主題にした乾いた抑制の強い文章で書き上げた作品がとても印象的です。


最後まで誰にもこびず、自らの思う世界を歩んだ小川さん。

ですが、恵さんの本書に描かれる小川国夫はかなり偏屈で怒りやすく、怒ったら手の付けられない、それだけにどこか甘えん坊でお酒も好きで、痩身で長身の鼻筋が通った美男子でしたから、それなりに、いえかなリオモテになった様子で、それがあからさまにではなくとも恵さんの思い出のなかに強く残っていて、文士の面影とともに放蕩を尽くした(かどうか程度はわかりませんが)夫に最後まで寄り添って生きた生涯が鮮やかに浮かび上がります。


同時に国夫氏のお母様の息子を信じる思いの強さも書かれていて、これはこれでなかなか凄い、けれど身近にいたらしんどい重いものではなかったかと、感じました。


このようなエッセイ集が書かれていなかったら、小川国夫という物書きの生きざまはどこかに消えてしまって、知ることがなかったと思います。

貴重な一冊です。(続編も書かれていますが)

+5あり! +3あり! +1あり!
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