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あの頃、翻訳出版は冒険だった » « これも沖縄への愛だろう
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書誌データ

新書・文庫
集英社
2017年 01月 発売
251P
9784087208658

内容紹介

天皇は神の子孫たる「神聖」な権威なのか、「国民の統合」の「象徴」なのか。退位問題をきっかけに天皇とは何かについて新たな論争の火蓋が切られた。折しも資本主義が限界に達した日本。経済成長のためなら「国民の分断」もやむなしとするのが政権与党だが、「国民の統合」が危機に瀕し、民主主義の基盤が揺らぐこの時代にあるべき天皇像とはいかなるものか。この問題を国民が真に考えるためには、幕末にまで遡り、わが国固有の伝統と西欧文明との間で揺れ続けた日本の近代の中の天皇の姿と向き合わねばならない。戦前右翼思想を熟知する政治学者と国家神道研究の泰斗が、この難題に挑む画期的な対論!

目次

序 天皇のあり方しだいで日本の近代が吹き飛ぶ/第1章 ジレンマは明治維新に始まった―天皇と臣民のナショナリズム/第2章 なぜ尊皇思想が攘夷と結びついたのか/第3章 「天皇の軍隊」と明治天皇の神格化/第4章 「仁政」と「慈恵」の福祉国家/第5章 大正デモクラシーと未完のファシズム/第6章 戦後も生きている国家神道/第7章 神聖国家への回帰を防ぐために/対談を終えて

天皇像の変遷

4

「惟(おも)フニ長キニ亙(わた)レル戦争ノ敗北ニ終リタル結果、我国民
ハ動(やや)モスレバ焦燥ニ流レ、失意ノ淵ニ沈淪(ちんりん)セントスル
ノ傾キアリ。詭激(きげき)ノ風漸(ようや)ク長ジテ、道義ノ念頗(すこぶ)
ル衰ヘ、為ニ思想混乱ノ兆アルハ洵(まこと)ニ深憂ニ堪ヘズ。
然レドモ朕ハ爾(なんじ)等国民ト共ニ在リ。常ニ利害ヲ同ジウシ休戚ヲ
分タント欲ス。朕ト爾等国民トノ間ノ紐帯(じゅうたい)ハ、終始相互ノ
信頼ト敬愛トニ依リテ結バレ、単ナル神話ト伝説トニ依リテ生ゼルモノ
ニ非ズ。天皇ヲ以テ現御神(あきつみかみ)トシ、且日本国民ヲ以テ他ノ
民族ニ優越セル民族ニシテ、延(ひい)テ世界ヲ支配スベキ運命ヲ有ス
トノ架空ナル観念ニ基クモノニモ非ズ。 」

1964年1月1日に発布された「新日本建設に関する詔書」の一部である。
所謂、昭和天皇による「人間宣言」だ。

70年の時を経て、今上陛下が表明された退位のご意向のお言葉のなか
に、この昭和天皇の「人間宣言」が生きている。これまで何度か今上陛下
のお言葉を読んで来たが、本書を読むまでこの点には気がつかなかった。

「国民と共にあり」「信頼と敬愛」。本書の対談で語られているように、今上
陛下は父上である昭和天皇の「人間宣言」をも踏まえて、あのお言葉を
練られたのかと思うと、感慨深いものがある。

本書は明治維新以降、その時の政治や時代の風潮ので天皇の在り様
がどのような変遷を辿ったのかの対談集である。

天皇の神聖化には水戸学が大きな役割を担っていたとの話は新鮮だった。
徳川御三家のなかでも格下扱い、しかも軍事負担などが大きかった水戸
徳川家は自らに降りかかる大きな負担を、「万世一系の天皇をお守りする
為なんだ」との大義を掲げて納得してたのか。

大正デモクラシーでは支持された天皇機関説も、昭和の軍靴の響きが
大きくなる頃には「けしからんっ」とされたのだものね。

そもそも明治維新の際に「王政復古」と「文明開化」の二枚看板を立てた
ことが矛盾の始まりだったと解釈していいのかな。それでも明治へ回帰
したい人たちはいるようだけれど。

天皇は皇居の奥深くで祈っていさえすればいい。今でもそんなことを言う
右派論客がいる。時々思うのだ。右派の論客だとか自称保守だとか名乗
る人たちは、時の天皇を敬うのではなく天皇制そのもののを敬っている
のではないか…と。

だから、今上陛下が退位のご意向を表明された後に「畏れ多くも、陛下は
ご存在自体が尊いというお役目を、理解されていないのではないか」なんて
言っちゃう人が出て来るんだ。

あのお言葉を読んで、聞いて、今上陛下が「象徴」としていかにあるべきか
を模索されて来たこと、国民と共にある為に何ができるかを考えて来られ
たことに思いを馳せられないなんて思考停止状態ではないかと思うわ。

サブタイトルはどうかと思うけれど、明治以降の天皇の在り様を追う入門
にはよさそう。
+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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