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書誌データ

新書・文庫
新潮社
2002年 08月 発売
426P
9784102102022

内容紹介

ミシシッピー州のジェファスンの町はずれで、車を大木に突っこんでしまった女子大生テンプルと男友達は、助けを求めて廃屋に立ち寄る。そこは、性的不能な男ポパイを首領に、酒を密造している一味の隠れ家であった。女子大生の凌辱事件を発端に異常な殺人事件となって醜悪陰惨な場面が展開する。ノーベル賞作家である著者が“自分として想像しうる最も恐ろしい物語”と語る問題作。

著者紹介

フォークナー:1897‐1962。米国ミシシッピ州生れ。曾祖父は鉄道建設者・政治家・作家として知られた人物。第1次大戦で英国空軍に参加し、除隊後ミシシッピ大学に入学するが退学、職業を転々とする。地方紙への寄稿から小説を書きはじめ、米国を代表する作家の一人となる。’50年にノーベル文学賞を受賞した

加島 祥造:1923年東京生れ。カリフォルニア大学クレアモント大学院修了。戦後、詩誌「荒地」同人となる。信州大、横浜国大、青山学院短大教授を歴任

ネタバレ

人間や世間の本質はいつの時代も変わらない

4

内容紹介を見るとかなり猟奇的な物語のように思えますが、実際はそういうわけでもなく、またフォークナーがそういうことを書きたかったのではないと思います。

簡単なあらすじを紹介しますと、悪の首領ポパイとその一味のグッドウィンやトミーは隠れ家で密造酒を作っていたわけですが、そこに若いカップルが迷い込んできます。それを発端にテンプルへの強姦や殺人が起こります。

グッドウィンとその内縁の妻のルービーは生きていくために犯罪も犯したり、売春もしたりしているが、ある意味おかれた環境の中で精一杯生きており、街ではならず者のように思われているが人間としては善良といえる。

一方、生育や環境に問題のあったポパイは完全に反社会的な人物となっており、人殺しも平気で行う人物である。

グッドウィンは無実の殺人の罪で裁判を受けるが、ポパイの報復を恐れ、無実の主張をしないが、自分は無実なのでそれが通じると思っている。

テンプルは裁判で虚偽の証言をすることからグッドウィンは死刑となるが、刑を待たず街の人々にリンチを受け殺害されてしまう。

色々な読み方があると思いますが、まず冤罪の問題。無実なのにその人が持つイメージによってレッテルを貼られ、最初から世間から犯人だと決めつけられるということは現代の日本にも十分起こりうることであり、恐ろしいことです。さらに恐ろしいのは、暴徒と化した人々によって無残に殺されてしまうわけであり、民衆が理性を失うということは昔からよくあることです。

ポパイは、真犯人であり、その罪はグッドウィンが被るわけですが、彼はまた別の殺人事件で逮捕されます。しかしその殺人は彼の犯行ではないにもかかわらず、彼は投げやりな態度で無罪の主張もせず結局吊るされてしまいます。「早く死刑にしろ」と自ら言い放っていた池田小事件の犯人のささくれた言動を思い出してしまいました。このような反社会的な人間や許されるべきではないと思いますが、反面、生育環境等もあり、こういう人間もある意味不幸であるとも思えます。

グッドウィンを無罪にすべく奔走する弁護士のベンボウは、その尽力にもかかわらず、無罪にできないどころか、民衆に殺されてしまい、失意の底に落ちます。

そして、虚偽の証言をしたテンプルは、ポパイが怖かったから虚偽の証言をしたのかはわかりませんが、一生その記憶にとらわれて生きていくことになるのでしょう。

このように、登場人物のほとんどが不幸になる恐ろしい話ですが、ベンボウの正義感やルービーの献身など、人間も捨てたものではないという部分が唯一の救いでしょう。


+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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このブクレポへコメント

あきらパパさんがこのブクレポにコメントしました

あきらパパ
あきらパパさん2017-05-14 23:00:10

レポの「無実なのにその人が持つイメージによってレッテルを貼られ、最初から世間から犯人だと決めつけられる」という部分に『十二人の怒れる男』を彷彿しました。ネットやSNSが氾濫しているからこそ、固定観念や先入観に囚われないようにしないと、と思います。

darkly
darklyさん2017-05-16 20:13:50

十二人の怒れる男というのはテレビドラマですか?初めて知りました。

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