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書誌データ

新書・文庫
文藝春秋
2016年 12月 発売
269P
9784167907587

内容紹介

『だるまちゃんとてんぐちゃん』など数多の人気絵本を世に送り出してきた著者。19歳で敗戦を迎え、態度を変えた大人に失望した著者は「子供達のために役に立ちたい」と、セツルメント活動に励むようになる。そこでは、絵本創作の原点となる子供達との出会いがあった。全ての親子へ贈る、希望のメッセージ。

目次

第1章 僕が子どもだった頃(子どもたちが先生だった/だるまちゃんには子どもたちの姿が宿っている ほか)/第2章 大人と子どものあいだ(飛行機乗りになりたかった/声の音楽と中村草田男先生のこと ほか)/第3章 大切なことは、すべて子どもたちに教わった―セツルメントの子どもたち(セツルメントの子どもたち/子どもは鋭い観察者 ほか)/第4章 人間対人間の勝負―絵本作家として(紙芝居だった『どろぼうがっこう』/人間はみんなプチ悪 ほか)/第5章 これからを生きる子どもたちへ(四十年ぶりの続編/この世界の端っこで ほか)

子どもたちを信じる

5

多くの方がご存知の『だるまちゃんとてんぐちゃん』、『どろぼうがっこう』等々の絵本作家であるかこさとし氏へ、多分出版社がいろいろとインタビューし、かこ氏が精一杯答えたものをまとめた本で、単行本は2014年に文藝春秋社から刊行されている。それを文庫化したもの。


本を手にした時、著者はどういう方なのか、と履歴事項を確認しようとするのはワタシだけ・・・? かどうかはよく知らないけど、かこさんの絵本を見て、面白いなぁ、と感心し、どんな人だろう? と探ってみると履歴は意想外なものであったので「えっ?!」っとなったのは随分むかし、むかし。

東大の工学部応用科学学科の卒業で、工学博士でもあり、長く(1973年まで)昭和電工(研究所)に勤める傍ら、川崎市のセツルメントでずっと活動を続け、その中で紙芝居や人形劇などの活動を行ってきた。最初の絵本は1959年の『だむのおじさんたち』で、それ以降、本書では「二足のわらじ」と表現されているが、セツルメントでの活動も含めれば二足半くらいのわらじをはいた活動を長くされてきた方である。

その間、絵の勉強もすれば、子どもの文化や教育についても何らかの形で学ぶ。また、絵本を一冊仕上げるにも膨大な調査やデータを踏まえて、という過程を経ている。

というようなことが読んでいけば分かるのだけど、じゃぁ、その徹底ぶりは、あるいは徹底的な子ども目線はどこからきたものなのだろうか? というのもよーくよくわかるのが本書である。


氏の生年は1926年、すなわち大正15年であり昭和元年。そして“敗戦”(氏は“終戦”とは言わない)を迎えたのが満年齢では19歳の時。

掌を返すように態度を変えた大人に失望し、自分もその大人の一人であり、近視であったため兵隊にはとられず“敗戦”を迎え、多くの同級生が亡くなってしまい、いわば「死に残」ってしまった自分はこれからどう生きればいいのか。そんな苦悩の日々から一つの答えを得たのは、せめて子どもたちのためにお役に立てないだろうか、自分のような後悔をしない人生を送るよう伝えたい、と考えるようになってからだった。それがセツルメント活動であった。

そしてその活動の中で子どもと向き合うと、いい加減だとすぐにそっぽを向いてしまう子どもたちには全身全霊を傾けてぶつかっていく、いわば本物でないといけないことをイヤというほど知らされる。机の上でいくらきれいごとを並べ立てても、実践が伴わない理論は空疎であるとこの本でも何度か繰り返されている。

『だるまちゃん』シリーズや『どろぼうがっこう』、『からすのパンやさん』がなぜ子どもたちに大人気なのか、そのわけも納得できる。

そしていかにも理系、と思わせる科学絵本が、徹底的な調査と膨大なデータからできているからこそ子どもにも支持され、子どもたちが更にその先への興味を抱かせるように作られているかが納得させられる。

自分は「死に残り」だから一切手を抜かないと決めていたようでもあるし、子どもと向き合うには甘い部分は許されないとも思っていたようである。


そして氏が育った時代はまだまだ自然いっぱいで、大人は子どもに手をかけすぎる余裕もない時代で、子どもたちだけで教え教えられながら大きくなっていった頃でもある。

子供の遊びについての資料集成『絵かき遊び考』、『石けり遊び考』、『鬼遊び考』、『じゃんけん遊び考』などの著作があるのもそういうバックボーンがあったればこそなのだろう(絵本以外のことは触れられていないので、これらの著作については書かれてはいないが)。


全5章は子ども時代から順に書かれ、最後の章は「これからを生きる子どもたちへ」と題して二度と同じ過ちを犯さないよう自分で考え、自分で判断できるように世界に対して目を見開いて、理解し面白がってほしい。そうして、自分たちの生きる場所がよりよいものになるように、うんと力をつけて、それをまた次の世代の子どもたちに、よりよいかたちで手渡してほしい。そう、エールを送って締めくくられている。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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