ブクレポ
ブクレポってどんなサイト?
login_header
新規登録(無料)
login_header
ようこそゲストさん 
  • ログイン
  • ブクレポとは?
  • ヘルプ
  • ホーム
  • 本をさがす
  • ブクレポをさがす
  • ユーザをさがす
こたろうさん 
45 あり!
あり!
このブクレポを評価しよう!あり!とは?
+5あり! +5あり!を取り消す +5あり! +3あり! +3あり!を取り消す +3あり! +1あり! +1あり!を取り消す +1あり!
このブクレポにあり!した人
ムーミンたちがいないムーミン谷 » « とげとげなのがいけないのか、気にするからいけないの...
book_report_header

書誌データ

小説・エッセイ
早川書房
2017年 04月 発売
286P
9784152096845

内容紹介

2016年4月、書評家・翻訳家・SFアンソロジストの大森望を主任講師にむかえて開講した「ゲンロン大森望SF創作講座」。東浩紀、長谷敏司、冲方丁、藤井太洋、宮内悠介、法月綸太郎、新井素子、円城塔、小川一水、山田正紀という第一線の作家陣が、SFとは何か、小説とはいかに書くかを語る豪華講義を採録。各回で実際に与えられた課題と受講生たちの梗概・実作例、付録エッセイ「SF作家になる方法」も収録の超実践的ガイドブック。

目次

SFの書き方 講義篇(ゲンロンSF創作講座へようこそ(大森望)/定義(東浩紀・小浜徹也)/知性(長谷敏司)/構成(冲方丁)/情報(藤井太洋)/梗概・実作講評篇(宮内悠介)/論理(法月綸太郎)/家族(新井素子)/文学(円城塔)/宇宙(小川一水)/神(山田正紀))/SFの書き方 実作篇(二本目のキュウリの謎、あるいはバートレット教授はなぜ時空犯罪者を支持することにしたのか?(崎田和香子)/コランポーの王は死んだ(高木刑))

SFを書こうと思わなくても、面白い?

3

なかなか画期的というか、実践的な創作口座の記録と講演を集めた一冊です。


内容紹介を読んでいただくとだいたい雰囲気がわかる気がするのですが、小説の中でもSFというわかりそうでわからないジャンルのものに絞って、まず応募された受講生たち(応募が多くてすぐにうまってしまったそうです)は講師から毎回出される課題にあわせ梗概(こうがい、あらすじですね)を出します。その中で面白そうなものについて三か月後までに実作を提出し、それらについて採点をし、優れたものは賞を与えてデヴューへと続く。そんな段取りだったと思います。


毎回講師がそれぞれに異なった観点からお話をされ、課題を出されます。それに沿って書かれた梗概は次回担当の講師が評価を行います。


本にはその講演の内容と寄せられた梗概の中からよかったものを各二編、そして最後に実作の優秀作を二編納めてあります。

薄そうな本だなと手にしたのですが、最初と最後を除いてすべて上下二段組みでぎっしりと中身の詰まった内容でした。

講師のお話の中でも特に冲方さんの梗概の書き方についてのお話と新井素子氏の仰天な私生活のエピソード(物語の登場人物の声が気凝るようになり、会話を続けて作品が産まれてくる、とか小説が行き詰まったら髪を洗う、とか驚異的な原稿紛失のエピソード《書きあがって公衆電話で報告しその場に原稿を置き忘れ、戻ったら消えていて泣く泣く書き直した》とか捧腹絶倒もののお話が愉快でした。

そして理論面つまり化学っぽくお話を進める部分のノウハウ、物質と運動の法則をかじる、つまり密度とか硬度とか熱伝導率などのいくつかの法則が身についていると(軽くわかっているくらいで)それらしい説明が織り込める(理論的な説明が出てくるのもSF小説の大きな特徴でしょう)と説明され、軌道力学をわかり易く目に見えるように縮尺で説明されています。


さて各回の選ばれて載っている梗概については、SFっぽい成立の背景を伝えようと多くの言葉を並べたものが多くて、基本的に読みにくい、規定を越えて長い、長すぎる、作者の思い入れが溢れていて逆効果、などの印象でした。これは作品を書いた後にまとめたわけではないので、目の前にないまだ思い入れだけでしかない「作品」へのオマージュとなってしまったせいかな、と。何作かすっ飛ばしたものもありました。


最後に実作の優秀賞が二作収められていてどちらも完成度が高く、コアなSFファンならもっと楽しめる作品だろうなと思いながら読みました。


今はSF作家というジャンルが孤立してあるのではなく(大昔、草創期はそんな感じでしたが)純文学にも溶け込み、ふつうの作家がそれっぽい作品を書くのも随分前から普通なことになっていて、だからこそこのような純度の高いSFに限った書き方講座の存在意義があるのだと、感じます。

第二回がもうすぐ開講されるそうで、その中から将来のSFいや日本の文学を背負って立つ方が現れるかもしれません。そんな期待を抱かせる熱を感じる一冊でした。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
タグ
SF
メモ
梗概を書いたことのある方は少ないと思いますが(必要に迫られて何度か書きました)なかなか難しいものです。
book_report_footer

ブクレポの輪

ブクレポの輪とは?

このブクレポへコメント

 この書籍のブクレポ

ブクレポはまだありません。

この書籍のブクレポを書いてみましょう!