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書誌データ

小説・エッセイ
講談社
2016年 08月 発売
409P
9784062199834

内容紹介

京都でテーラーを営む曽根俊也は、ある日父の遺品の中からカセットテープと黒革のノートを見つける。ノートには英文に混じって製菓メーカーの「ギンガ」と「萬堂」の文字。テープを再生すると、自分の幼いころの声が聞こえてくる。それは、31年前に発生して未解決のままの「ギン萬事件」で恐喝に使われた録音テープの音声とまったく同じものだった―。

事件の内容を徐々に思い出しました。

4

まーちさんが好意的なレポを書かれています。それもあって読みたいと思っていたのですが、貸し出しの順で今になりました。

事件とは昭和59年、60年に世間を騒がせた「グリコ・森永事件」です。

思い出しました、とタイトルにしたのはそんな事件があったことは当然覚えていても、詳細はかなりの部分私の中で消え去っていたからです。

毎年、大げさに言えば毎日のように起こる重大な事件に慣らされてしまうというか、感性が鈍くなってしまい、長い間記憶を保っていられない、というのが現実であるように思います。


「罪の声」とは事件とは何の関係もなさそうに思えた京都で洋服の仕立てのお店を営む男性が、父の遺品の中から気になる品、黒川のノートとカセットテープを見つけることからはじまります。

録音されていたのは自分の声で、事件に使われたのと同じ内容の脅迫文を読み上げたものでした。実際に使われたのか、事件に父が関与していたのか、疑問に思い調べだすことから物語ははじまります。


同時進行で阿久津という新聞記者が特集として事件を扱うことになり、取材をはじめますが当然のことながらなかなか真相にはたどり着けません。

それが取材を重ねた一人から思いがけない資料の提供をうけて一転します。


作者が想像力で作り上げた事件の真相とそれに関わり、当時子供だった関係者を想ってえがいた真相とそこへたどり着く過程はなかなか重厚で読みごたえがあります。


おぼろげに思い出してきた「グリコ・森永事件」は頻繁に取引を持ち掛け、マスコミも巻き込んで挑発するわりに実効、金銭の受け取りがうまくいかず、エスカレートしたまま集結し、未解決に終わったと記憶するのですが、その不透明さを一枚一枚ヴェールをはぐように迫っていく阿久津の取材の粘りが読むものをひき込み、身内が犯人ではと心配しながら探っていく曽根の心情にも寄り添って読むようになります。


時効とはいえ事件は新聞記者と関係者の甥のおかげで明るみに出るのですが、それはもちろん作者が作ったフィクションで、そう思って全貌を思い返すと逆に実際はどうだったのだろうと、疑問というか興味がわきます。


長い時間を未解決の事件に賭けて没頭された警察の方もたくさんいらっしゃったと思いますが、もしかしたらほとんどは引退され、何人かは鬼籍に入られたのかも、と思います。

本書を読んだとしたら、その関係者はどんな想いを抱かれるだろう、などと要らぬことを考えました。


よくできた作品で想いの深さ、強さも感じたのですが、所詮といえば失礼ですが作り物で真実、真相はどうだったのかと、そのほうがかえって知りたくなる作品でした。

実際の事件でテープに声を吹き込んだ方はまだどこかで生きているのだろうな、と。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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