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書誌データ

小説・エッセイ
KADOKAWA
2017年 06月 発売
323P
9784041052754

内容紹介

島根県出雲市は、ある一瞬を境に瓦礫の山となった。テレビに映し出される光景に誰もが息を呑むが、原因は不明のまま。局地的な天災か、北朝鮮のミサイルか、テロか!?先遣隊として送り込まれた陸上自衛官の新野は、風変わりな子供アキラと技術者の天音に出会う。彼女が勤務する巨大な研究施設で起きた“予測不能な事態”を知った新野は震撼する―。街が封鎖され通信手段がない中、唯一つながったツイッターには、最新のニュースや、救出を待つ人がいそうな場所などさまざまな情報が寄せられる。見知らぬ人々の祈りのもと、生存者たちは立ち上がるが...。ノンストップのパニックサスペンス。

東日本大震災をモチーフにした、パニックサスペンス

4

テレビの画面に映し出されたのは、一面、瓦礫の山と化した、出雲市の姿だった。
原因もわからないまま、先遣隊として現地に送り込まれたのは、陸上自衛隊の自衛官候補生・新野(ニーノ)たちだった。

この作品は、新野のほか、内閣官房の安間審議官、アマクモという会社の社員だった天音、そして、米軍のコルビー大尉という、4人により、視点を変えながら描かれていく。

あまりの惨状に、愕然とした新野たちだったが、車の中で息をひそめていた、アキラという少女、そして、天音と出会う。
そして、天音から、出雲市を襲った災厄の真相を聞かされるのだった。
出雲市を破壊しつくしたのは、「ミズチ」と呼ばれる、巨大な海蛇の化け物のような生き物だったのである。
ミズチは、街を破壊するのみならず、生き残っていた人たちを見つけ出し、食いつくしていたのだ。
さらに、ミズチが上陸した際、その体表に寄生していた「ヒルコ」という、ナマコのような生き物が、大量に、陸に上がってしまったのである。
ヒルコは、獲物に吸着し、毒を送り込んで溶かして食べるというのだ。
ヒルコは、いきなり飛んできて食いつき、一度食いついたら離れないのである。

では、なぜ、天音はそのことを知っていたのか?
実は、彼女が勤務していた会社は、政府からの要請で、竹島から40キロほど離れた地点で、メタンハイドレートの研究開発に携わっていたのである。
その際に発見されたのが「ミズチ」だったのだ。
ミズチは、出雲沖の海洋プールで眠らせていたのだが、そのミズチが逃げ出し、今回の災厄を引き起こしたというわけだったのである。

ミズチの存在を公表してしまうと、メタンハイドレートの開発がバレてしまうので、政府は、その事実を公表しなかったのだ。
そのため、今回の災厄についても、隠蔽しようとしたのである。

米軍の攻撃により、ミズチは倒されたかと思われた。
しかしそれは、焼け石に水だったのである。
実は、ミズチは、上陸した際、子どもを産んでいたのだ。
米軍が殺したのは子どもで、親ミズチは、全長が1㎞もあるような、想像を絶するほど巨大な生き物だったのである。
さらに、街中に、大量のヒルコが潜んでいて、いつ飛びかかられるかわからない状態なのだ。
この、未曾有の災厄を、乗り越えることはできるのか・・・?

この作品、読んでいくうちに、うすうす感じ始めたのだが、巻末の「謝辞」を読んで、やはり、そうだったのかと思った。
この作品は、東日本大震災をモチーフにしたものだったのである。
海から襲いかかってきたミズチは、まるで津波のようだ。
ミズチの上陸によってばらまかれたヒルコは、放射能だろうか。
米軍の救助作戦は、作品の中でも「トモダチ作戦」と書かれていた。
ミズチの存在や、出雲の惨状を隠そうとしていた政府は、原発の実態を隠蔽しようとしたことを連想させる。

使命感のかけらも持ち合わせていなかった新野だったが、沢山の人たちが犠牲となっていく様子を目の当たりにするとともに、ツイッターを通して、数多くの励ましや祈りを受け止めることにより、人々を救いたいという気持ちが生まれてきたようである。

ややネタバレになってしまうが、この作品、ミズチやヒルコを制圧できないまま終わる。
しかしそれは、東日本大震災からの復興は、まだまだ途上であるということを伝えたかったのだと思った。

異界から、時々こちらの世界に現れて、災いをもたらす神を、『客人神(まろうどがみ)』というそうである。
そんな、客人神が現れたのが出雲というのは、うまい舞台設定だったと思う。

なぜ、電話もメールもつながらないのに、ツイッターだけはつながったのかとか、なぜ、出雲だけが狙われたのかとか、多少の疑問はあったものの、東日本大震災を、全く違う設定で描いた、恐ろしさだけでなく、人の優しさや強さを感じられる作品だった。
+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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