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書誌データ

小説・エッセイ
岩波書店
2016年 02月 発売
286P
9784000611022

内容紹介

夜遊びは、もうやめた。年年歳歳花相似たり、歳歳年年人同じからず。だが、いつものように、小説家の毎日は過ぎてゆくのか。

目次

1 小説家の四季(二〇〇七年/二〇〇八年/二〇〇九年 ほか)/2 作家の口福(僕の一日/作家の口福/目覚まし ほか)/3 文芸的読書(文芸的読書/いんぎんといんげん/私事―野呂邦暢『愛についてのデッサン―佐古啓介の旅』 ほか)

これは芸ですね。

4

直木賞を「月の満ち欠け」で受賞された佐藤正午さんのエッセイ集。
残念ながら本書では受賞作の執筆に関するお話は出てこないのですが。

読んでいくにつれ連想したのがタイトルのような印象で、やや詳しく説明をすると、私は実際に会場で目にしたり聞くことはないのですが、例えばさだまさしさんや松山千春、南こうせつなどという歌手のコンサートでは歌だけでなく語りも一種の芸というべきか、観客は愉しみにしているのだろうと感じられます。(テレビなどでチラ見しただけですが、いずれもかなり面白いおしゃべりをされていたように思います)

佐藤正午の語り口はそんな楽しい観客をわかすサービス精神にあふれた、くすぐりというかユーモラスな印象なのでした。

些細な日常です。基本的にどこにも出かけないで家でほとんどを過ごす、そんな「小説家」の四季を年四回連載されたものを収録しています。
例えば、毎年夏になると昼食は毎日そうめん、自宅でゆでてそうめんを食べる日々が夏中続くのだそうです。
時期は2007年から2015年までが収録されていて、表題を見ると
冷蔵庫理論、ほくろ理論、ワープロ、パソコン、そしてボルとつづきます。
冷蔵庫の中身を毎日見ていると、その中身が見えにくくなる、という理論からはじまって、友達が夫婦で不穏な雰囲気でドライブに出かけ、入ったカフェで出てきたコーヒーカップが取っ手がないもので、夫のほうが怒って、別れ話が一気に進むというものですが、この器がボルというフレンチのカップだと、そして同じ形のものが作家の家に別の使い道で置いてあったのに今更ながら気づいた。
というところまででほぼ二年半過ぎてしまいます。

不思議に退屈ではなくて、達者な語り口がひょうひょうとしたユーモアを感じさせてつい笑みが浮かんでしまいます。
書いてある中身は大したことないんですけどね。
きっとそんな佐藤正午のエッセイが好きで読まれている方、かなりいるのではと思いました。

題材はその後、ホワイトボード、透明感のある文章とは?、老眼鏡、黒髪、などという題が続いています。
日常生活で失せ物が多くなる傾向がみられるようで、けれど生活のリズムというかレシピ的な習慣が身についてしまっていて、老眼鏡を二つ一度にあつらえたけれど、今のところ仕舞ってあって、安物の老眼鏡四つを部屋のあちこちに置いて愛用している、という話だったりスパゲティについての友人の蘊蓄編だったりがつづきます。
スパゲッティについてはエッセイ集各巻に出ているいわば名物テーマのようで、その中で編集者が作っているという焼うどんにトマトケチャップを書けるだけというのが妙に気になって、もう少しで自分で作ってみようかと思ったくらいです。トマトケチャップは嫌いなのにそう思うところが本書の面白いところです。

後半では一転して書評が続き、その中で先ほど直木賞を受賞した際に新聞にも載っていたのですが、大学時代に野呂邦展氏を知りファンになって一年後にファンレターを送ったら返事亜帰ってきた、はずなのだけれど野呂氏の返信は見当たらない、となっています。
初めて佐藤氏が手にしたのは名作「諫早菖蒲日記」の初版だったそうです。
私はその前から野呂氏に惹かれていたので、不思議な親近感を佐藤氏に覚えた次第です。

案外に静かでつましい印象の「作家の四季」かえってそんなところに好感を覚えました。
+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
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