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書誌データ

教育・資格検定
文藝春秋
2017年 07月 発売
307P
9784163906881

内容紹介

大岡昇平との和解。終生信頼した中村光夫。チャタレイ裁判を吉田健一と弁じ、三島由紀夫と天皇論を交した父に忍び寄る老い。そして、親子の長く苦しい葛藤―。初めて明かされる晩年の日々。

目次

第1部 父からの手紙(これはじゆうのめがみです/ロープは最後まで放してはいけません/會食頗る愉快の想ひに御座候)/第2部 鉢木會・断章(晩年の和解―大岡昇平/恆存のボヤキ―中村光夫(一)/詩劇について少々抱負を―中村光夫(二)/チャタレイ裁判―吉田健一(一)/骨身に応へる話―吉田健一(二)/暗渠で西洋に通じてゐるのは―三島と福田/鉢木會の連歌帳―そして、神西清)/第3部 父をめぐる旅路(近代日本をいとほしむ―L嬢の物語/恆存の晩年/生きることと死ぬことと―エピローグ)

創造者としての「父」との葛藤

4

福田恆存さんは若いころに読んだシェイクスピアの翻訳で知っていましたが、逆に言えばそれしか知らなかったわけで、本書を読んで人柄や功績に初めて触れ、改めて自分の勉強不足を痛感したしだいです。


書かれたのは恆存氏の次男の逸さんです。これが個人で出版される初めての本だそうです(翻訳や共著はたくさんあるようですが)そして父福田恒存という人について書いたのも初めてであり、晩年の恆存氏と演劇協会の存続にかかわり、かなりの確執が合ったご様子で、ためらいためらい書かれた、という苦し気な雰囲気が伝わってくる著作です。


主に手元に残された手紙をもとに三部構成で書かれていて、第一部は逸さんがまだ幼いころの外国から届いた父の手紙(ほぼひらがな書きで子供に読めるように優しく配慮された文面です)を引いて父と子供のころの自分たちの関係を思い出されて書かれています。


第二部は鉢木會・断章と題して、当時親交の篤かった友人たちとの交流を同じく書簡を元に書かれています。その交流相手は大岡正平、中村光夫・吉田健一・三島由紀夫・神西清と多彩で中身もチャタレイ裁判が出てきたり、文芸史的にも貴重なのではないかと思われます。


そして第三部では父をめぐる旅路と題して、特にこれまであまり知られることのなかった恆存氏の晩年の苦しかった状況もおそらく初めてあかされています。

軽い脳梗塞で倒れ、一見正常に見えても、理知的な働きが衰えていき、理論的な文章力が子である逸氏から見て明らかに衰えていった最後の十年余り。

ちょうどそこに理事を務めていた演劇協会と劇団の存続や分裂の時期が重なり、退陣を求める息子と続けようとする父との深く重い確執がそこに起こり、逸氏も鬱になられたとか。

いまだにその当時のことを書かれるのは気鬱そうな、ため息交じりの雰囲気が伝わってきます。


本書から受け取る恆存氏は常に真摯に言葉、演劇と向き合う理知的な芸術家という印象で、時に激しく論陣をはり、(わりあいカーッと興奮され怒りを面に出される方だったようです)戦う文人というイメージが浮かんできます。


日本語ではなかなか英語の韻を踏んだ言葉の響きが表せず、苦労された様子もうかがえて感ずるところがありました。


「私の國語教室」という名著を書かれていますが、私はさて読んだことがあったかどうかすら覚えていないありさまで、恆存氏が当時の書簡を旧仮名使い出書かれているのは当然ですが(本書のなかでは、逸氏は正仮名使いと新仮名使いと表現されています)逸氏も正仮名使い出書かれているのが特に印象的でした。

この父の息子さんらしい信念というか、特に正という表記にそれを感じます。


恆存は沢山の劇も書かれているのですが、勉強不足で満足に読んだことも、もちろん観たこともありません。

手始めに「私の國語教室」を読むことから福田恒存という知の巨人を知ろうと思っています。

+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
メモ
ウイキペディアで見ると『「レトリシャン」とか「論争の手品師」といわれ、一流のリフレーミングの使い手でもあった』とあり本書のなかにもそれに近い論理の飛躍が得意だった人という意味の表現があり、興味を持ちました。
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