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書誌データ

小説・エッセイ
福武書店
1987年 10月 発売
259P
9784828822402

佐伯さんの第一作品集

3

海燕新人文学賞受賞作「木を接ぐ」を含む五編の短編をおさめた佐伯一麦氏の第一作品集です。


短編集といっても連作的な作品世界を描いていて、私小説作家としては自身の生活およびその周辺の出来事を描いていくわけですから、自然と同じ世界、人物が登場するのだな、と得心して読みました。


「雛の棲家」は進学校に通う少年、斉木鮮(あきら)が主人公で、退学した元女子生徒が妊娠したと噂で聞き、その相手が自分らしいとささやかレ廷るのを耳にします。一時期付き合っていたことはありましたが、幼年期の性的な事故的体験でトラウマになっている彼は、少女が望む接し方が出来なかったのでした。けれど噂を聞いて隣県の病院と訊ね、衝動的に逃避行を選んでしまう、という物語です。

縁日で買ったヒヨコを温めるような日々を、みずみずしい筆致で描いた初期の、けれど佐伯一麦らしさを感じさせる短編です。


「朝の一日」は同じ主人公の鬱屈した生活、特に朝の新聞配達の様子を描いた短編で、その後、主人公は少女、光子が妊娠したと効くことになります。


「木を接ぐ」は上記二編よりのちの、主人公の生活ぶりを描いた作品で、主人公は上京し働きながら若くして出会った女性と結婚して生活しています。

その妻が妊娠して破水したらしいと告げるところから物語ははじまります。

安いボロアパートの一室に籠るように暮らす二人が背負ってきた、暗い過去が呼び覚まされていく、暗鬱なトーンの短編です。


「虫が嗤う」「転居記」も「木を接ぐ」につながる生活ぶりを描いた作品で、崖の上に立つ川の流れを望める不安定な一室での、ままごとのような生活と、妻のある意味乱れた過去が暴かれていく、暗鬱なトーンの、まるで影絵のような作品たちでした。

生活苦はきっと作者自身が感じていた問題だったでしょう。

栄へんでの暮し、電気工という仕事で患ったアスベスト禍。

その中で創作者として立とうと願う想い。

そんなものが強く感じられる、暗い青春のページを捲る気がしました。


初期の作品の特徴でしょうか、漢字が多く使われ、一部旧漢字であったり「ブランコ」が感じになっていたりと、やや時代を感じる言葉使いなのが印象に残りました。


+5あり! +3あり! +1あり!
【 読了日: 】
メモ
「ぶらんこ」は「鞦韆」と書くのだそうです。ルビがふられていましたが、なかったら読めませんでした。
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